1月7日 鳥インフルってなに??
(カテゴリ:獣医師の雑談) (投稿日:2022年01月07日)
新年あけましておめでとうございます!
去年の4月から獣医師として働いている對馬(つしま)です。
大学を卒業したばかりの新米獣医師です。
新しいこと、知らないことの連続ですが、先輩の獣医師や飼育員に教えてもらいながら、
勉強中の毎日です。
動物園の動物の健康を守る獣医師のお仕事に貢献できるように全力で
取り組んでいきたいと思います。
園内で見かけたら、お声をかけていただければ嬉しいです...がんばります!
さて、今年2022年は寅年!!
え、寅年なのに、題名は酉(鳥)の病気のお話ですか、と思った方もいると思いますが、
実は関係があるんですよ。
鳥インフルエンザは、ごくまれではありますが、トラにも感染してしまうんです。
タイでは、2003年に動物園のトラとヒョウが感染したニワトリなどの死体を食べて、
感染して亡くなってしまった例もあるんです。
動物園としては本当に気を付けないといけない病気なんです。
少し無理やりな導入でしたが、ここからは真面目なお話!お付き合いください。
そもそも鳥インフルエンザとはどんなものかといいますと、
鳥がかかるインフルエンザのことです!!
・・・そのまんまですね。
鳥インフルエンザウイルスの中でも家禽(かきん)に対して感染しやすく、死んでしまう確率が
高いウイルス株のことを高病原性鳥インフルエンザウイルスといいます。
ここでいう家禽(かきん)とは、家畜として飼育される鳥のことです。
ニワトリ、アヒル、七面鳥などを指します。
ときわ動物園にいる鳥にも感染する可能性はあります。
鳥が鳥インフルエンザにかかると、人がインフルエンザにかかったときのように、
呼吸が苦しくなったり、元気がなくなったりすることがあります。
実はこの病気、人にも感染する病気です。
人は感染した家禽やその糞尿、死体などを素手で触ったり、
それらが間違って口に入ったりすることによって、ごくまれに感染することがあります。
(日本では人で感染したことはありません。)
でも、これらのことを守れば、感染することは基本的にありません!
・野鳥の死体や糞尿に触らない、近づかない
・手洗い・うがいをする
野鳥の死体見つけたら、決して触れずに、都道府県または市町村役場に連絡してください。
あなたが鳥インフルエンザから日本を守ることができるかもしれません!
では、鳥から鳥に感染というのはどうでしょうか。
鳥から人には感染しづらい病気ですが、鳥から鳥への感染はしやすく、
一度発生してしまうとすぐに感染が広がってしまいます。
ニワトリ農家や動物園など、たくさんの鳥がたくさん集められているところで
発生すると大きな問題となります。
そのため家禽に高病原性鳥インフルエンザが感染した場合、被害の拡大を防ぐために、
発生したニワトリ農家の家禽の殺処分が法律で決められています。
その周囲の施設にも規制がかかります。
それくらいすぐに、そして大掛かりに防がないと、どんどん広がってしまう病気なのです。
今シーズンも山口県から近い広島県、愛媛県を含め、
国内のニワトリ農家や野鳥で発生してしまっているんです。
こんなときだからこそ、「トラ」は飼ってないけど、「トリ」を飼っている動物園として
鳥インフルエンザについてお話させていただきました。
次はときわ動物園でやっている鳥インフルエンザの予防について紹介していきます!
以上、獣医師の雑談でした・・・
担当:もう2年目になりそうな新人獣医師 對馬(つしま)