12月26日 どうぶつたちの赤血球
(カテゴリ:獣医師の雑談) (投稿日:2023年12月26日)
みなさん、はじめまして!
新人獣医師のたかばです。
ときわ動物園で働き始めて、いつの間にか8カ月も経っていました・・・!
山口とはいえ、冬はとても寒い!!
寒いときは、どうぶつたちも寝室から出たがりません。
私はこたつの誘惑に負けず、どうぶつたちのために頑張ります・・・!
まだまだ未熟者ですが、日々精進します!
意気込みはここまでとして、さっそく本題に入らせていただきます。
今回はときわ動物園のどうぶつたちの赤血球についてお話しようと思います。
赤血球とは、血液中に存在し、酸素を全身に運んでくれる血球です。
実はこの赤血球、動物種によってかたちが違うみたいなのです!
そこで、ときわ動物園のどうぶつたちの赤血球の違いを見つけていこうと思います!
まずは、フサオマキザルの赤血球です。(以下、右側の顕微鏡の写真はすべて倍率同じ)
まんまるでかわいいですね!人間とよく似ています。
次は、ヤギの赤血球。
フサオマキザルによく似ていますが、少し小さいことが分かります。
次は、アルパカの赤血球。
これはこれは。お米みたいですね!
アルパカはラクダ科の動物ですが、ほ乳類の中で、ラクダ科の動物の赤血球のみ、
お米のような楕円形をしているそうです!
最後は、常盤湖のペリカン島にいるモモイロペリカンの赤血球。
形はアルパカの赤血球に似ていますが、少し大きいですね。
そのうえ、赤血球の真ん中が濃い紫色に染まっています。
これは "核" といわれるもので、ほ乳類以外の動物で見ることができます。
実は、ほ乳類はこの "核" を赤血球の成長段階で捨ててしまうのです。
なぜ捨ててしまうのか?ここでは長くなるので省略させていただきます・・・
気になった方はぜひ調べてみてください!
ときわ動物園では、健康診断のときやどうぶつたちに元気がないときに、血液検査を行います。
血液検査では、ほんのわずかな血液で、体内の様々なことを調べることができますが、
その中に、血液塗抹検査という検査があります。
スライド上に血液をひいて、血球たちの様子を顕微鏡で実際に観察することで、
血液の病気がないか、体の中で異常がおきていないかなどを調べます。
(左:スライド上に血液をひく様子 右:顕微鏡)
今までご紹介した赤血球の写真も、実際に血液塗抹をひいて、顕微鏡を覗いた写真です!
動物種によってこんなにも形が違うなんて!不思議でおもしろいですね!
動物たちを観察するときに、赤血球の形も違うんだよ!と思い出していただけると嬉しいです!
これからも新しい発見があれば、みなさんにご紹介できればと思っています!
担当:たかば