2月5日 どうぶつ園のじゅうい
(カテゴリ:獣医師の雑談) (投稿日:2025年02月05日)
みなさん、はじめまして!
昨年からときわ動物園で働いている新人獣医師のゆあさと申します。
毎日一生懸命、とても楽しく働いております。どうぞよろしくお願いします。
早速ですが、"獣医師の雑談"です。
みなさんは、「獣医師」、特に「動物園の獣医師」はどういうお仕事をしているのかご存じですか?
よく知っている人もいれば、そう言われてみればよく知らないかも、、という人もいらっしゃると思います。
昨年、山口県内の小学2年生に同じような質問をする機会が何度かありました。
すると、子どもたちはみんな、
「どうぶつのけがとか、びょうきとかをなおすおしごとです!」
とすんなり答えてくれます。
私は、小さいころから動物好きでしたが、獣医師という職業を知ったのは小学校高学年くらいだったので、さらっと答えてくれる小学2年生たちに、最近の小学生はもの知りだな~と驚きました。↑小学校低学年を対象に実施している学習プログラム「どうぶつ園のじゅういさんのお話」で紹介しているスライド
実は、現在多くの小学校では2年生の国語の教科書に「どうぶつ園のじゅうい」というお話が登場するのです。
数ある職業のなかでも、「獣医師」、そのなかでも「動物園の獣医師」に目をつけた教科書の担当の方はとてもセンスがあると思います。すばらしい。(私もその授業受けたかった、、。)
というわけで、今回の"獣医師の雑談"ではときわ動物園での獣医師のお仕事の一部を紹介したいと思います。
まず、ほぼ毎朝するのは「朝の会」です。
前日の出来事や今日の予定、連絡事項なんかを獣医師同士で共有するちょっとした会です。
要は、学校の「朝の会」やホームルームとほぼ同じ、社会人の基本であるホウレンソウです。
それから、入院している動物がいれば、お世話をします。
お掃除やごはんをあげながら、うんちやおしっこの様子を見たり、体調の変化がないか観察したりします。↑体調不良で入院していたエリマキキツネザルのコリッキーさん、何か言いたげですね。
つぎは、調剤です。お薬を継続して出している動物たちや治療中の動物たちのお薬を包みます。
投薬予定表を見ながら、粒の薬、粉の薬、粒を粉にした薬、シロップの薬なんかをそれぞれの動物に合わせた形状、量で準備します。
(予定もメモしているのですが、いつも飼育員の方々がもうお薬がないですよ!と連絡してくれます。いつも本当にありがとうございます。)
↑ある日の投薬予定表
あとは、予定が入っていれば動物の健康診断をしたり、獣舎に行って治療をしたり、気になる動物の様子を見に行ったりします。
それぞれのお仕事の詳しい話は、またの機会に、、。
↑健康診断のため、診療所に連れてこられたコツメカワウソのリンちゃん。ご立腹です。
一通りルーティンワークを終え、予定がなかったり、急患がいたりしなければ、園内のお散歩をします。
お散歩といっても、遊んでいるわけではありません!
園内の動物たちの様子を観察して回っているのです(れっきとしたお仕事です!)。
なんなら、これが一番大事な仕事かもしれません!
毎日、動物の近くで仕事をしている飼育員と違って、獣医師が動物と接するのは、動物の様子がいつもと違う時が多いです(体調が悪いや怪我をしたなど)。
そのため、ほんの些細な違いには気づきにくいです。
飼育員さんに呼ばれて、「いつもとちょっとだけ様子が違う」と言われてもどこが違うのかさっぱりわからない、、なんてこともあります。
そんなちょっとの違いに気づけるように、園内を回って健康な動物たちの様子を観察しているのです!
園内でお散歩している獣医師を見かけたら、頑張って仕事しているんだなと見守ってください。
↓お散歩(仕事)中に撮影したおもしろ、ほのぼの写真をいくつか紹介します。↑本当にお散歩中のアルパカのタック。雪の日も滑りにくいところで運動を頑張っていました。えらい。(膝の治療のためサポーターを着けてお散歩しています。)
↑お散歩(仕事)中によく手を伸ばしてくるフサオマキザル三人組(左からゴクウさん、フクちゃん、ジョーくん)。残念、私はご飯を持っていません。
↑お散歩(仕事)中に見つけたまぬけ顔のワオキツネザルのラテ(現在、バックヤードにいます)。ベロもお日様で温めるようです。
↑テナガザルのローズさんとカールさん。寝転がっているカールさんは、ローズさんの膝枕と毛繕い、それから、おひさまに照らされて気持ちよさそうですね。
ここまで、動物園の獣医師の仕事を紹介しました。
今回、紹介できたのはほんの一部です。
他にもいろんな仕事をしています。少しずつ皆さんに紹介できたらと思います。
飼育員ブログに混じって時々登場するのを気長にお待ちください。
最後に、小学生たちに人気だった動物園の獣医クイズから1問出題します。
小学生の正解率はとても低かった問題ですが、ブログを見てくださっている皆さまなら簡単かもしれません。
答えはぜひ動物園に遊びに来て探してみてください。
担当:ゆあさ