6月14日 なんかへん?
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2015年06月14日)
またも動物園内の植物の話題。
さて、シシオザルの寝室横で撮った写真、なにか「へん」ではないですか?
ん?ちょっとわかりにくいですか?
では、ちょっと「へん」なところを拡大した写真がこちら。
やっぱりわかりにくいですか?
ソヨゴという常緑樹なのですが、本来の葉は写真の端のほうのいわゆる葉っぱらしい形をした葉っぱ。
真ん中あたりに細長い緑色の葉があるのがわかりますか?なんでしょうこれ。
これは、ヒノキバヤドリギといいます。ヤドリギの名前の通り、ほかの木に寄生して育つ植物です。緑色をしてますので、自分自身で光合成もしますので半寄生植物ですね。花も咲いて実もなる立派な植物です。根のようなものは、枝から宿主のソヨゴの導管まで達していて、水分や養分を横取りします。
このソヨゴは動物園がリニューアルする前に購入して植えられているようですので、ヤドリギは動物園に種子が運ばれてきて寄生したというよりは、宿主ごと園芸業者からやってきたと思われます。ちなみに、ヒノキバヤドリギの種子の移動はアリが関係しているといわれています。
ちなみに下の写真はわが子が通う山陽小野田市のとある小学校の校庭の写真。
ナンキンハゼですが、何か所か異様に葉が固まってみえるところ、これがヤドリギが寄生しているところです。運動会の時に写真を撮っていると他のお母さんから「鳥の巣?」と聞かれました。一見そのように見えますね。
これは落葉樹ですので、ヤドリギの種類もちょっと違うようです。おそらくオオバヤドリギかな?こちらは鳥が種を運んで寄生していると思われます。ナンキンハゼが冬に落葉するとヤドリギだけが目立つようになります。
西洋ではクリスマスにヤドリギを飾る風習もありますし、クリスマスソングや映画ハリーポッターにも出てきます。日本より身近な植物のようです。
このヒノキバヤドリギ、たぶん動物園関係者は他に誰も見つけてないと思うんです(←どや顔)
見つけにくいところにありますが、生息環境展示の園内には小さいところにも面白いところがいっぱい!探し出してくださいね。
担当:むらた