3月25日 キャットだけど猫じゃない?なんの仲間? ミーアキャット
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2024年03月25日)
突然ですが、動物の名前って本当に色々ありますよね!
ひとくちにサルと言っても、ニホンザル、テナガザル、キツネザル、オマキザル......などなど、体の特徴や属しているグループだったり、あるいは棲んでいる国の名前なんかがついていたりと、そのほとんどは種の個性を表す名前になっていることが多いです。
ところが、中にはどうしてこんな名前に? といった例も存在します。
ときわ動物園でも展示されているミーアキャットは、そんな不思議な名前をもった動物のひとつです。
左からの♂ツナ、♂トロ、♀ナギエ。のんびり休憩中。
ミーアキャットは主に南アフリカに生息する動物で、サバンナや砂漠のような、荒れた岩肌や砂地の多い環境で暮らしています。
地面に穴を掘って群れで生活し、リーダーの雌とそのつがいの雄だけが子供を産みます。しかし子育ては群れのヘルパーたちが行うという、ちょっと風変わりな生態をしている生き物です。
頑張って穴を掘る♀ナギエ。放飼場が一瞬で穴ぼこだらけに。
なんといっても尻尾を支えに立っている姿は有名ですよね。皆さんもテレビやYouTubeなどで見たことがあるかもしれません。
これは立って背を高くすることで視野を広げ、天敵が近くにいないか見張る時などに行う姿勢です。
ときわ動物園でも、みんなが交代で見張り役をしています。
見張り当番中の♂トロ
時には三頭で並ぶことも。
そんなミーアキャットですが、「キャット」と名前がついているにも関わらず、実はネコと全く関係がありません。本当はマングースの仲間なんです。
ならばどうしてミーアキャットという名前になったのか? なんと判明していないんです!
ネットでは様々な話が散見していますが、どれもはっきりとした根拠がなく、ミーアキャットの由来はいまだ謎に満ちています。
しかし、中には面白い説があります。
一説によると、サンスクリット語でサルを意味するmarkataから、オランダ語のmeerkatに変換されたものが定着したというのです。
昔、東インド会社の船に乗ってアフリカを訪れたオランダ人が、船員から「南アフリカにmarkata(サル)がいる」と耳にしました。その後現地で初めて見たミーアキャットをmarkataだと誤解し、オランダ語のmeerkatになったのだとか。
仮にこの話が本当だったとしたら、サルが由来のネコみたいな名前になったマングース......と、なんだかへんてこりんな歴史に思えてきますね。
真実が明かされる日は来るのでしょうか。
さまざまな個性を持つ動物たちの名前。どうしてこうなったんだろう? なんでこんな名前なんだろう? と調べてみると、もしかしたら面白い過去が分かってくるかもしれません。
担当:とよだ