6月2日 子育て、見守ってください
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2015年06月02日)
6月1日より、今年度の傷病鳥の受け入れを開始しました。
昨日は早速4羽の鳥が動物園に運ばれてきました。
ときわ動物園は、山口県の委託を受けて「傷病鳥獣保護センター」という役割も担っています。
ケガをしたり病気になったりした野生動物の治療、リハビリを行って野生にかえる手助けをするのがわたしたちの役目です。
毎年100頭羽ほどの哺乳類、鳥類が保護されてきますが、そのほとんどは鳥類。
しかも、生まれて間もないヒナばかりです。
道路に落ちたヒナや親鳥のいない巣を見つけて「かわいそう」「助けてあげたい」という気持ちで保護してくださるのですが…
そのほとんどは誤認保護、少しショッキングなことばを使えば、「誘拐」なんです。
近くに巣があって親鳥はエサをとりに出かけていることが多く、落ちてしまっても親鳥が戻ってくれば大丈夫。
動物のことを思って保護してくださっても、親鳥にとっては「大事なこどもをとられた!」ということになってしまうこともあるんです。
じゃあ、ヒナを見つけたらどうすればいいの?
巣を見つけたら、ヒナをそっと戻してあげてください。
巣が壊れている場合はカップ麺の容器などに入れて高いところにおいてあげてください。
…とは言っても、大きなケガをしている、親鳥がかえってこない、近くでネコやカラスが狙っている、などなど、保護する必要がある場合ももちろんあります。
迷ったら、まずは動物園に相談してみてください。
スズメもツバメも、タヌキやウサギなどの哺乳類も、わたしたちにとって身近な動物ですが、彼らはペットではなく「野生動物」。
人の手を借りなくてもたくましく生きていく力を持っています。
もっと大きな視野でみると、野生動物のくらしに人が手を出すのは生態系を崩すことにもつながってしまいます。
手を出さず、見守ることで野生動物の子育てを応援しましょう!
担当:かわで