9月26日 気ままなワンオペ育児
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2022年09月26日)
みなさんこんにちは!
7月18日生まれのエリマキキツネザルの赤ちゃんが先日生後2か月を迎えました。
(生まれてから2週間の様子は以前のブログをご覧ください)
最近はオトナと同じエサも食べるようになりました(写真ではレタスを食べています)
赤ちゃんの様子は当園の公式Twitterでも紹介していますので、このブログでは新米お母さん・ユッキーの子育てを中心にお伝えしていきます。
(ときわ動物園公式Twitter 「#エリマキキツネザルの赤ちゃん」を検索!)
動物の子育ては、メスだけで行うもの、オスとメスがかわるがわる子守りをするもの、オスだけで行うもの、種によって様々です。
ほとんどのサルの仲間は、お母さんひとりで授乳から子守りまでなんでもこなすワンオペ育児。
エリマキキツネザルも例に漏れずお母さんが子育てを担うのですが、これがちょっと変わっているんです。
サルの子育てと言えば、赤ちゃんは生まれてすぐにお母さんにぎゅっとしがみつき、生後しばらくは母子がいつも一緒に過ごすのが基本。
しかし、エリマキキツネザルは子育てのための巣をつくり、エサを食べるときなどお母さんは赤ちゃんをそこに置いていきます。
動物園では、巣のかわりに用意したケージの中で子育てをしてもらうのですが、ユッキーがこれを使ってくれたのは出産後5日間だけ。
それからはぱったり中に入らなくなってしまいました。
野生でも複数の巣をつくることが知られているので、ケージの置き場所を変えたり、大きさを変えたり、数を増やしたりと工夫してみましたが、結局その後は一度もケージを利用することはありませんでした。
では、ユッキーは赤ちゃんをどうしていたのかというと...
ケージ以外のあちこちに置いていくようになりました。
はじめての置いていったのは何もない地面の上
ある時は放飼場の木のしげみに
ある時は寝室の窓枠の上に
またある時は2m近い木の上に
毎日場所が変わるので、ユッキーが放飼場に置いていった赤ちゃんを捜索するのはなかなか大変でした...
こんなふうに赤ちゃんを豪快にくわえて運んではどこかに置いて、そのままひとり別行動。
赤ちゃんが自力で動くことができなかった約1ヶ月間は、これが基本の子育てスタイルでした。
「赤ちゃん?そのへんにいるんじゃない?」という声が聞こえてきそうなくらい、ひとりの時は自由気ままなユッキー
そうかと思えば、リラックスモード全開で授乳するところを見せてくれたり、赤ちゃんとじゃれて遊んだりするところも毎日見せてくれました。
人が近くにいてもおかまいなしの授乳タイム
ほったらかしと思いきや、仲良し親子
自由な時間も確保しつつ、やるときはやる!
初産とは思えないほどたくましいワンオペ育児ぶりです。
飼育員はどきどきはらはらさせられましたが、とってもエリマキキツネザルらしい母親の姿なのかもしれません。
ぜひ皆さんも、ユッキーののびのびした子育てと赤ちゃんの健やかな成長を見守ってくださいね!
担当:かわで