8月31日 猛禽たちの換羽
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2022年08月31日)
みなさんこんにちは!
今日のブログは、こんな暑さの中、まだ衣替え中の動物たちのお話です。
その動物は...
トビ
ハヤブサ
メンフクロウ
バックヤードで暮らす猛禽たちです。
鳥の衣替えは「換羽(かんう)」といって、古い羽が抜け落ちて新しい羽に生え変わる生理現象です。換羽の時期や回数は、繁殖や渡りなどと関連していて、鳥の種類や年齢、性別によって違いますが、ふつう年に1回以上起こります。
当園の猛禽たちの場合は、6月に入ると換羽が始まり、だいたい9月末頃にはおおかた終わります。
オシドリなどの水鳥では、一度の換羽でごそっと羽が生え変わり、飛べなくなる時期もあります。しかし、猛禽の場合は飛べなくなってしまうと狩りができず、生きていくことができないので、換羽中でも飛べるように少しずつ時間をかけて生え変わります。
右から、トビ、ハヤブサ、メンフクロウの風切羽
種によって色や質感が少しずつ違っています。
特にふわふわなメンフクロウの羽に注目してみると...
端がギザギザ!
ハヤブサの羽と比べると一目瞭然です。
このギザギザ構造はセレーションといって、フクロウの羽の特徴。ギザギザの間から空気が抜けることで羽と空気との摩擦音を減り、静かに飛ぶことができるんです。
さらに、羽そのものがとってもやわらかいことも羽音が出にくいことに一役買っています。
では、フクロウはなぜ静かに飛ぶのでしょうか?
同じく猛禽類であるワシ、タカ(トビはタカ科)、ハヤブサは飛ぶのが速く(ハヤブサの急降下は時速386㎞という記録があるんだとか!)、羽ばたくときにバサバサっと音がします。実はフクロウはあまり速く飛ぶことができず、スピード勝負では他の猛禽類にかないません。
そのかわりに、羽音を最小限にして獲物に気付かれずにそうっと近づくという戦法をとっているというわけ。
一方でハヤブサがとても速く飛べるのは、硬い羽のおかげ。
それぞれの狩りのスタイルに適した羽をもっているんですね。
おかげさまで今年も換羽は順調。
なかなかごらんいただく機会のない猛禽たちですが、元気にくらしています!
担当:かわで