11月10日 鳥インフルエンザ
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2020年11月10日)
今年もこの季節がやってきました。
鳥インフルエンザ防疫対策のため、湖での飼育をおこなっていたハクチョウたち(コブハクチョウ4羽とコクチョウ1羽)を屋内施設へと収容しました。
屋内施設での飼育は11月から4月までの予定です。
なんといっても今年はコロナ禍ということもあり、感染症への関心は例年以上に高まっていることと思います。せっかくですので鳥インフルエンザについて今回は紹介?しようと思います!
鳥インフルエンザとはその名の通り鳥類に対して感染性を示すインフルエンザウイルスによる感染症です。正確には鳥類に感染するA型インフルエンザウイルスをまとめて鳥インフルエンザウイルスといいます。そして、ここからさらにウイルスの型や病原性によって「高病原性」と「低病原性」に区別されます。
特にこの高病原性鳥インフルエンザに家きんが感染すると高い確率で死亡するため、日本では家畜伝染病予防法の対象疾病に指定されています。
日本へは主に周辺諸国からの渡り鳥が主なウイルスの侵入経路になっており、国内で発生が確認されるのも渡り鳥が飛来する季節がほとんどです。そして感染した鳥の排泄物や死体に付着したウイルスをヒトや他の動物等が媒介することによって広がっていきます。
伝播力、致死率も高いことから、発生が確認された農場の家きんは感染拡大防止のため原則殺処分されます。
近年では動物園の飼養鳥にも感染が確認された例もあり、ときわ公園でも2011年に飼育していたコクチョウに感染が確認され、ハクチョウ類の全羽殺処分という悲しい歴史があります。
これらのことから、ときわ公園ならびに動物園では鳥インフルエンザ対応マニュアルを策定し、感染リスクの高い11月~翌4月までは放し飼いを原則中止するとともに、感染防止のための消毒等を徹底しています。今回のハクチョウたちの収容もこのためです。
ちなみに、人には基本的に感染しませんが、一部の国でごく少数ですが感染が報告されています。することはないと思いますが野鳥や家きんとの濃厚な接触(死体、臓器、排泄物に素手で触れる等)はやめましょう!
今年は早くも国内複数個所での発生が確認されており、これ以上広がらないことを願うばかりです。
施設に収容したハクチョウたちやその他動物園の鳥たちは変わらずご覧になれますので、是非会いに来てくださいね。
担当:高司