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3月25日 フサオマキザルのマキちゃんが亡くなりました
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3月25日 フサオマキザルのマキちゃんが亡くなりました

(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2020年03月25日)

新型コロナウイルスの影響が広がる不安な春ですが、日に日に暖かくなり桜の花も咲き始めました。
ときわ動物園には多くのこどもたちが遊びに来てくれ、とても賑やかです。

 

 
さて、ホームページにも掲載しておりますが、今日のブログは悲しいお知らせです。

3月18日の朝に、フサオマキザルのマキちゃんが亡くなりました。

死因は現在調査中です。
推定34才以上、フサオマキザルとしてはとても長生きをしてくれました。

マキちゃん.jpg

マキちゃんは、1986年に来園し、リニューアルのずっと前からときわ動物園で過ごしてきました。
25年以上ひとり暮らしでしたが、リニューアルを機に他の動物園からフサオマキザルたちがやってくるとすぐに群れになじみ、仲間たちとの生活をスタート。

 

マキちゃん2.jpg
群れの中でくらしていた頃のマキちゃん(写真一番上がマキちゃん)

しばらくは仲良くやっていたのですが、2016年に群れのオス「ゴクウ」と度々ケンカをするようになり、ある時ゴクウに噛まれて頭蓋骨に穴が開く大けがを負ってしまいました。
獣医師の懸命の治療により回復した時は、マキちゃんの生命力の強さに職員一同驚かされました。
しかし、それからは群れとは離れて暮らすことに。
同じく群れからあぶれてしまった若い「ぺルドン(♀)」といっしょに非展示のバックヤードで飼育をしていました。

 

 

マキちゃんは、他のフサオマキザルたちとはなんとなく違う独特の仕草や愛嬌のある表情から、飼育員にもお客様にも愛されていました。

バックヤード暮らしになってからも「マキちゃんどうしてる?」と尋ねられることもしばしば。
私が飼育担当になったのは昨年4月からでしたが、少しずつ受け入れてくれる(ような気がしていました)様子が感じられ、マキちゃんに会うのを毎日楽しみにしていました。

 

 
皆さんにお伝えしたいマキちゃんの魅力は山ほどありますが、私が担当したこの1年間でのマキちゃんとの楽しい思い出をご紹介したいと思います。

おばあちゃんながら、食欲旺盛で活発なマキちゃんは、様々なおやつやおもちゃにも果敢に挑戦してくれました。

マキちゃん3.jpg
トウモロコシを食べるマキちゃん
毎週のように季節の野菜や果物などをプレゼントしていました。
時にはこんなふうに口いっぱいに頬張ってワイルドな一面も。

マキちゃん4.jpg
スイカを見つめるマキちゃん
夢中でむしゃむしゃ食べていたかと思うと、時折自分が食べたスイカを見つめていました。よっぽどおいしかったのでしょうか。

マキちゃん5.jpg
コングに詰めた冷凍カボチャの冷たさに戸惑うマキちゃん
夏にはひんやりおやつをプレゼント。

ガリガリかじるぺルドンとは対称的に、大事そうにぺろぺろ舐めたり、抱きしめて涼んでいた姿をよく覚えています。

おばあちゃんですが、おなかを壊すこともなく上手に夏を乗り切ってくれました。

マキちゃん6.jpg
衝撃的だった柑橘
お客様からいただいた柑橘(この写真は文旦)を渡してみたところ、少しかじった後、みずみずしい果肉を思いきり自分の背中にこすりつけるマキちゃん...
飼育員の間でも『マキちゃんは変わった子』として知られていたので、「またマキちゃんったらオリジナルの使い方編み出してる...」と思っていたのですが、他のフサオマキザルも同じ行動をはじめました。
調べてみると、野生のフサオマキザルはにおいの強い植物を体に塗りつけて虫よけに使うことがあるのだそう。当園のフサオマキザルたちのこの行動がそれにあたるのかはわかりませんが、興味深く印象的な思い出です。

ちなみに、マキちゃんは他にもニンニクの芽もこすりつけていました...
ニンニクのにおいを全身にまとったマキちゃん... きっと一生忘れません。

 
フサオマキザル持前の賢さで、様々なおもちゃも次々に攻略。

マキちゃん7.jpg
ゴムボールに奮闘するマキちゃん
ピンクのゴムボールはイヌ用のおもちゃ。中には大好きなゆで卵と鶏肉が入っています。
手先が器用なマキちゃんは、いつもぺルドンよりも早く取り出していました。

 

 
マキちゃん8.jpg
消防ホースを使ったおもちゃにも興味津々のマキちゃん(写真左がマキちゃん)
落花生や大豆、ペレットが隙間に隠してあるのですが、慎重にいじくりながら上手に取り出していました。

 
 
いろいろなおもちゃの中でもマキちゃんのお気に入りはこれ!

マキちゃん9.jpg
筒の中に小さな穴が開いたボールが入っていて、そのボールの中にペレットが入っています。
朝、寝室から外に出ると、何よりもまずこのおもちゃのところへ行って、小さな指でくるくるとボールを転がしていました。
ペレットがすべてなくなってもよくこれをいじってる姿を見かけ、食べることよりも遊ぶことを楽しんでいるように見えました。

 

 

おばあちゃんとは思えないほど活発で好奇心旺盛なマキちゃんとの日々は、私にとってもとても楽しく刺激がいっぱいでした。
本当はもっと一緒にいたかったですが、彼女の最後の一年をそばで見守れたことをうれしく思います。

マキちゃんから学んだことを、今後の動物たちの生活に生かしていきます。

マキちゃん10.jpg

群れの仲間たちといっしょのマキちゃん(過去の飼育員ブログより)

 

最後に、これまでマキちゃんを見守り応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

担当:かわで

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