8月4日 種子散布者!?
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2018年08月04日)
野生動物は自然の中でそれぞれ様々な役割を持っています。
例えば、食物連鎖。
食べられてしまうのはかわいそう...などと思ってしまいがちですが、
その動物も植物や他の動物を食べ、そして今度は食べられることで
生態系のバランスが成り立っているのです。
なんだ、今日のブログは小難しい話なのか!?と思われた方、
そうでもないのでお付き合いください(笑)
他にも役割はいろいろありますが、
「種子散布者」という言葉を聞いたことはありますか?
動物が植物の種子を食べ、お腹に入れた状態で移動します。
その後離れた場所でうんちをして、そのうんちと一緒に種が出て、
そこにその植物が芽吹く、というもので
その種を運ぶ動物を「種子散布者」と呼びます。
(ときわ動物園ではジェフロイクモザルのところに
分かりやすいサインが出てますのでお越しの際は是非ご覧ください!)
植物も動物に種を運んでもらうためにおいしい実をつけるんですね!
なぜそんな話をするかと言いますと...
こちらはエリマキキツネザルの展示場(裏)↓
この写真の中央あたり、ワオキツネザルとの間の柵に近いところ...
ココ、ココ!!ここだよ!!
と言っているわけではないですが、
♂コリッキーがいるこの場所に生えているこの植物。
なんだかわかりますか?
実はこれ、キウイフルーツの葉っぱなんです!!
別にもともと植えられていたわけではありません。
これはエリマキキツネザルのエサのキウイから自生したものなんです!
でも、いつも餌をあげる場所はここではありません。
もっと見やすい園路に近い前の方で餌をあげています。
つまり...
このキウイ、エリマキキツネザルのうんちから生えたキウイなんです!
(ちょっと表現がアレですが、ご了承下さい...!)
野生に比べると範囲はとっても狭いですが、
多分野生ではキウイの種を運ぶことはないと思いますが、
でも、ちゃんと種子散布者なんだなぁ!って担当飼育員は感動しました!
「単純なヤツめ...」(と思っているかは知りません。)
残念ながらキウイは雄花と雌花が揃わないと実を結びませんので、
今のところ果実はできておらず餌の足しにはならないのですが、
担当飼育員の感動はそんな現金な話ではないのです!
この感動はプライスレスなのです!!
野生のエリマキキツネザルだったら...と思いを馳せました。
ちょっとお客様からは見えづらい位置にあるのですが
ご来園の際は展示場裏側のビューからキウイの葉っぱ、
探してみてください!
そしてぜひ感動してください(笑)
担当:田村