2月17日 レタスの毛 ~その1~
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2018年02月17日)
今年の冬はとにかく寒い!
だんだんと昼間は日差しを感じられる日も増えてきましたが、あたたかい格好で動物園にいらしてくださいね。
さて、今日は寒さとは関係のないシシオザルのお話。
当園には4頭のシシオザルがくらしていますが、そのうち1頭、ちょっと気になる個体がいます。
それが彼、レタス(♂)です。
昨年生まれたハチ(♀)の父親で、御年18才。
年のせいか、肩のあたりなど白髪が目立つようになってきましたが、眼光鋭くなかなかイイ男(筆者評)。
でも...正面からだといいのですが...
...あれ?
背中の毛が...薄い......
弟のガッツ(♂)と比べてみると、この通り。
レタスの方が体重も重いのですが、毛並みが立派なガッツの方が体が大きく見えるとお客様から言われることも。
なんてこったい...
この背中、どうしたのかというと、どうやらレタスが自分で抜いているようなのです。
私たち飼育員も、レタスが背中やたてがみの毛を抜いているところを何度も確認しています。
どうして毛を抜いてしまうのか、本当のところはレタスにしかわからないのですが、一般的には、退屈だったりストレスを感じたりしている時の行動だと言われています。
見た目にもかっこよくないし、寒そうだし、何よりストレスから毛を抜いているとしたら、それをやめられるような 彼にとって良い環境にしてあげたい!
これまでにも、環境の改善には取り組んできて、実はこれでも良くなったほうなんです。
こちらの写真は2015年1月、動物園の一部オープン直前のレタス。
たてがみも毛を抜いてしまっていて、シシオザルではないみたいです。
じわじわ良くなってはきたものの、まだ毛を抜いているのは確実です。
そこで、行動観察をすることにしました。
どんな時に、どのくらいの頻度で毛を抜いているのかを突き止めて、それに合わせた対処をするためです。
私はシシオザル以外のサルの飼育管理も担当していてじーっと見ているわけにはいかないので、ビデオカメラを設置することにしました。
そして、ビデオを再生しながらレタスの行動を観察していると...
お!?
こんなことしてたの!?
すっごくわかりにくいのですが...
昨年うまれのハチ(♀・レタスとヒロのこども)に対して、毛づくろい!
レタスはヒロのことが大好きなのか、よく彼女の毛づくろいをしている様子は観察していて、なかよし夫婦だねえ、なんて言っていました。
しかし、シシオザルのオスは基本的に子育てに参加しないこともあり、ハチがじゃれついてきても迷惑そうに追い払うような様子を目にすることが多かったのです。
そんなレタスが、人が見ていない時にはかなり長い時間毛づくろいをしていました。
いい父ちゃんじゃないの...!!!
パソコンの画面と向き合いつつ、ちょっと感動!
さてさて、肝心の毛を抜く行動については、また次回のブログで。
毛を抜く行動はなかなか改善するのが難しいのですが、応援していただけるとうれしいです。
現在、レタス・ヒロ・ハチの親子は、月・水・金・日曜日は午前中、木・土曜日は午後に展示場で過ごしています。
ぜひなかよし親子に会いに来てくださいね!
担当:かわで