3月11日 初めての毛繕い
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2016年03月11日)
はじめに本日のブログはかなり
主観的、個人的な内容になることをお詫びします。
でも、とても感動したので、是非書きたいと思います。
現在、ときわ動物園では様々な動物が
お引越し、お見合い、同居訓練などを行っていることは
先日のブログでもご紹介しました。
今日は、そちらのブログでも紹介されていた
ジェフロイクモザルについてのブログです。
先日ご報告したとおり、
ジェフロイクモザルの♂ハルと♀アカネは只今同居中です。
でも、同居しだしてしばらくは飼育員が交代で、
ケンカをしたりしないか見張っていました。
今はとてもいい感じの2頭ですが、
初めは相性が合うかハラハラしていました。
同居後しばらくは距離があった2頭。
すると、そのうちアカネの方がハルに寄っていって...
毛繕い!
毛繕いを始めたのです!!
当たり前じゃん、と思われたかもしれません。
でも、私はとっても感動しました。
すごく!すごく!!
クモザルにとって毛繕いは当たり前のことかもしれません。
でも、ハルにとってはとても久しぶりの、
ときわ動物園では初めての毛繕いだったのです。
昨年の5月に当園にやってきたハル。
私はそれからほぼずっとハルを担当していました。
あくまで主観になってしまうのですが、
群れの仲間と離れて1頭でやってきたハルは
私の目から見ると、とても不安で寂しそうに見えました。
早く仲間ができるといいな...。
ずっとそんな風に思っていました。
それからつい先日まで、ずっと1頭で暮らしてきたハル。
そんなハルに、群れの仲間が出来て、
初めて毛繕いされる姿は
私にとってすごく感慨深いものがあったのです。
今までは横になったりしていても、
そこまでリラックスしているとは感じられませんでした。
ひとに触られることもあまり好きでなく、
少し撫でただけでもよく怒っていました。
そんなハルが!!
そんなハルが!!!
このリラックスっぷり!
触ってもらってとっても嬉しそうにしています。
この10か月で一度も出したことのない声を出したり、
今まで見たことのない行動もするようになりました。
クモザルは群れで生活するサル。
やっと本来の姿を少し取り戻せたということなんだろうか、
とも感じました。
よかったね。やっと仲間ができたんだね。
これからはもっとハルらしい姿を見せてくれるんだね。
そんな思いがよぎり、とてつもなく感動してしまったのです。
そして、ハルの仲間としてときわ動物園に来てくれた、
ちょっと神経質な性格のハルに自然に毛繕いをしてくれた、
アカネにも感謝の気持ちでいっぱいになりました。
ありがとう、アカネちゃん。
これからもよろしくね。
そしてアカネを思うとき、
どうしても思い出されるのはもう1頭のアカネちゃん。
鹿児島市平川動物公園にアカネと交換で旅立った、
ニホンザルのアカネです。
こちらのアカネも、ときわ動物園でも
飼育員みんなから愛されていました。
ちょっとツンデレな所があるアカネちゃん。
平川動物公園で元気に過ごしているだろうか、
うまく群れに馴染めているだろうか。
心配してみたり、思い出して微笑ましくなってみたり。
少し落ち着いたら、きっとまた会いに行きたいと思います。
飼育員って、いろんな動物たちから
いろんな大切なものをもらっているなぁ、
と感じる今日この頃です。
なんだかしんみりしてしまいました。
が!!
ここで、新たにハルが見せてくれた一面に物申したい!!
一生懸命毛繕いをしてくれるアカネが、
お返しして欲しそうに寝転がると、
ハルは...
無視!!
それどころか「もっとして」とでもいうようにアピール!
完全なる亭主関白!!
そんな子だったなんて!!
優しいアカネは毛繕いしてあげていましたが、
明らかにさっきより身が入っていない様子でした(笑)
このままじゃ、アカネに愛想つかされるぞ、ハル!!
その性格はきっと直した方がいい!!(笑)
担当:田村