HOME > ときわ動物園 > 飼育員ブログ > ３月１０日　レモンとジョイナー

 

ロミオとジュリエット、お話の内容はご存知ですか？

イタリアのヴェローナを舞台にした、

敵対する２つの有力な家の娘と息子が恋に落ちるも

両家の争いに巻き込まれ、幸せになることが出来なかった儚く悲しい恋のお話。

 

...と　かなり端折ってあらすじを説明してしまいました。

が、じつはときわ動物園にも

(恋愛感情を抱いているかは定かではありませんが)

ロミオとジュリエットならぬ、「レモンとジョイナー」がいるんです！

 

その２頭が暮らすのは

ブログにたびたび登場する繁殖棟。

レモンとジョイナー、隣同士の寝室で過ごしています。

左が(水飲みに座る)レモン、右が(緑餌を頬張る)ジョイナーです！

ちょっと変な写真でごめんなさい！

この２頭それぞれ一緒に生活するパートナーがいて、

お互いのパートナーとの相性が悪いわけではないんです。

 

レモンはレディ、ジョイナーはモンジロウと一緒に暮らしています。

 

それがなぜ、寝室が別の離れた相手のことがそんなに気になるんでしょう？

そもそもレモンとジョイナーは同居したこともなく、

シロテテナガザルとボルネオシロヒゲテナガザルという別種。

 

なにが原因かはわたしたちにもわかりませんが、

ある日を境にお互いの存在が気になりだしたようです。

 

毎日レモンとレディを先に寝室に収容したあとで

モンジロウとジョイナーを収容していたのですが、

とうとう隣の放飼場にいるジョイナーを気にしてレモンが寝室に帰ってこない始末...。

 

一方ジョイナーは、大好物のニボシを見せるとレモンには目もくれず

ニボシ欲しさにそそくさと寝室に帰ってきてくれます。(レモンが少し可哀想...)

ジョイナーが入れば、それにつられてレモンも早く帰って来てくれるので

レモンの収容はジョイナーのおかげでかなり助かっているんです！ありがとう！

 

でもやっぱりお互いが気になるようで、

移動の合間に隙間から覗いたり、

放飼場で見つめ合っていたり、(赤い丸がジョイナー！)

移動したあとで相手にアピールしてみたり。

ジョイナーお得意のヘッドバンキングでレモンに猛アピール！

写真では動きをお見せできないのがとても残念です...

 

わざわざ離れている相手にアプローチしなくても

それぞれのパートナーとなかよく、っていうのじゃダメなのかしら。と

なんとも言えない複雑な心境で見てしまいます。

 

毎日こんなやりとり(？)を繰り返している２頭ですが、

はたして うちのロミオとジュリエットに

お互いの思いが通じる日は来るんでしょうか...

 

なにが２頭をそうさせたのか、

担当飼育員の謎はますます深まるばかりです。

 

 

担当：たなべ