4月28日 「半分食べたところで止まった」
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2015年04月28日)
はじめまして!ときどき更新の獣医師です。
飼育員ブログに間借りし、気まぐれゲリラ的に日記をしたためることになりました!
日々の診療のこと、あまり関係ないこと、さまざまご紹介していきますね。
さて今回の記事タイトルは、最近わたしが飼育員からよく聞く声です。
「最初は食べてくれていたけど、すぐにばれた」
「動物が『どうせ何か入れているんでしょ』という目で見てくる」
「あの苦さは無理」
などなど...おわかりでしょうか?動物に与える薬のお話です。
おなかに寄生虫がいる、手術後の感染予防、ケガの腫れと痛みを抑える...などの理由で、動物にも薬を飲ませることがあります。
でもサルは味覚が発達して頭もいいので、そう簡単には飲ませられません。
錠剤そのままでは決して飲んでくれないので、粉々に砕いてえさにこっそり混ぜて与えてみるけれど、やっぱりいつもと違う味やツブツブ感に気づいてしまいます。
人間のこども用に甘くした飲みやすい薬なんかも使いますが、その人工的な甘み自体がダメな個体もいるようです。
飼育員は、普段与えているバナナやゆでイモに練りこんで、あるいは食パン、シロップ、はちみつ、ジャム、ヨーグルト、ドライフルーツなど手を変え品を変え、工夫して与えています。
えさにつられて寄ってくるけど、味にはけっこう厳しいリスザル。
薬をぜんぜん気にしない個体もたまにはいて、とっても助かります。
カワウソは...サルとはうって変わって簡単みたいで、砕かない錠剤をお肉に挟んだだけで何も気づかずガツガツ平らげちゃいました。夢中すぎて写真もブレまくりです。
獣医師のわたしは薬を出すけれど、それを動物に与える苦悩は飼育員のもの。
動物園でガイド中の飼育員を見かけたら、「お薬、苦労してるの?」とこっそり聞いてみてくださいね。
担当:田丸