10月22日 昆虫とサル
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2015年10月22日)
みなさーん!ちょっとちょっと!
展示場にバッタがいたんですよー!!!
バッタくらいいて当たり前じゃないかって?
そう、草がたくさん生えた土の地面の展示場には、バッタやコオロギなどの昆虫はつきもの。
苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、生息環境展示を支えてくれる大切な存在です。
でも、わたしが担当するハヌマンラングール、シシオザル、トクモンキーの3種のサルのうち、昆虫を見つけることができるのはハヌマンラングールの展示場だけ。
答えは簡単、サルが食べてしまうからです。
昆虫だけでなく、ミミズやヤモリなんかも食べちゃいます。
大丈夫でしょうか、少しサルを見る目が変っちゃいました...?
でも、雑食性のサルたちにとって、昆虫はとっても大切なタンパク源。
見つけるとすぐさま捕まえて食べてしまいます。
そのため、サルの展示場で昆虫に出会うことはほとんどありません。
シシオザルが空を見つめていたかと思うとぱっとトンボやチョウ、ハエなどを捕食する場面を目撃したお客様も少なくないかも。
そしてそして、問題はハヌマンラングールです。
ときわ動物園でガイドを聞いた方はご存知かと思いますが、彼らはリーフイーター(Leaf eater/葉食いザル)とも呼ばれる木の葉を主食にするサルの仲間。
教科書的には、大部分を占める木の葉のほかにも未熟な果物や昆虫を食べるということになっているのですが...
ときわ動物園のソフィー、リンダ、タラ(赤ちゃんのサトはまだまだわかりません)は、昆虫をまったく口にしません。
生きた昆虫を見ても少し怯えた様子で触ろうともしないんです。
だからこんなふうに、動物舎の中で羽化していたことも。
これ、サルたちが夜間過ごしている寝室の内側です。
シシオザル、トクモンキーなら有り得ない光景にちょっとにやっとしながら写真を撮っちゃいました。
と同時に、実はわたしに隠れて(?)食べてるんじゃないの?という疑いが晴れました。笑
そんなわけで、ときわ動物園のハヌマンラングールは完全ベジタリアン。
最近はかわいいこどもたちに注目が集まりがちですが、できるだけ展示場で木の葉を食べてもらうように一日に何度もエサをやっていますので、美しい姿をゆっくり観察してみてくださいね!
14~15kgにもなる体を植物だけで維持しているというのは、なかなか感慨深く、もしゃもしゃと木の葉を頬張る姿には愛しさがこみあげてきます。
開園前の少しの間、彼らうっとりながめる(観察です!仕事してますよ!)時間が大好きです。
担当:かわで