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7月15日 飼育員の考えごと(コツメカワウソの搬出)
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7月15日 飼育員の考えごと(コツメカワウソの搬出)

(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2021年07月15日)

当園で飼育しているコツメカワウソの♀キワをブリーディングローンにより、

7月6日に三重県にある鳥羽水族館へ搬出しました。

ブリーディングローンとは、希少な動物を絶やさず増やしていくために、動物園や水族館同士で動物を貸し借りする制度で、園館同士で協力して種の保存を実行しています。

希少な動物は、個人や動物園・水族館の持ち物ではなく、世界共通の財産であるという考えに基づいて、行われています。

今回の移動も、コツメカワウソの繁殖を目的としたものです。

そう、キワはお嫁にいったのです!

木村さんとキワ.jpg

(搬出時の様子)

そこで、今回はキワのお話をしたいと思います。

キワは2016年10月28日にときわ動物園で生まれました。

20161207(キワ左から2番目).JPG

(兄弟たちと一緒 左から2番目がキワです)

他の兄弟たちと比べ、体格が小さく、成長も少し遅かったキワ。

当時の飼育担当者たちが、とても熱心に飼育管理にあたっていました。

20161230(キワ).JPG

(すくすく成長し、毛の色が変わってきてますね^^)

父親ボンと母親リンに育てられ、飼育担当者たちに見守られ、すくすくと育ったキワ。

リンキワ.jpg

(お母さんのリンと一緒)

ボンネットモンキー.jpg

ボンネットモンキーという同居相手?もいて、

大人になってからも母親のリンと一緒に過ごしてきました。

リンとキワ.jpg

(お昼寝が大好きなリン・右とキワ・左)

とても優しい性格で、担当になったばかりで、

まだ飼育作業に不慣れだった私にも初日から寄ってきてくれたキワ

寄ってくるキワ.JPG

(迫ってくるキワ(右)、最初はびっくりしました・・・汗)

担当になって3か月ほど、以前担当していた先輩飼育員たちと比べたら、とても短い期間でしたが、

キワは、私にコツメカワウソの魅力をたくさん教えてくれました。

 そんなコツメカワウソは、絶滅のおそれのある動物です。そのため、飼育下の繁殖はとても大切です。

そのコツメカワウソという種の保存に協力できることが、担当飼育員として、嬉しいのです。

ここまで無事にキワが育ち、繁殖のため搬出できることになったのも、

これまでキワをはじめとするコツメカワウソたちを、担当してきた飼育員たちのおかげです。

そして、今年度から新しくコツメカワウソの担当になって、無事にキワを搬出できたことに、私は喜びを感じています。

「元気でね。鳥羽水族館で、いつかリンのような優しい母親になってね」そんな気持ちでいっぱいです。

また、搬出前にときわ動物園に来てくれた多くの来園者の方々から

「鳥羽水族館に行く前に会いに来たよ。キワ、元気でね!」というメッセージをたくさんいただきました。

本当にありがとうございました。

 現在、ときわ動物園には、母親のリン、父親のボン、キワの兄弟の♂ショウの3頭のコツメカワウソを飼育しています。

このブログを書く頃には、繁殖管理のため、母親リンは動物園のバックヤードへ移動し、展示場には、父親ボンと息子のショウの2頭が生活するようになります。

それぞれが、新しい環境になれるように、彼らの飼育に取り組んでいきたいと思います。

バックヤードにいるリンは、ご覧いただくことができなくなりますが、

ときわ動物園の3頭のコツメカワウソをこれからもよろしくお願いいたします。

最後にもう一度

リン.jpg

「キワ、鳥羽水族館でお幸せに!」

担当 坂口

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