6月13日 草刈り迷人!?
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2017年06月13日)
まずはこちらをご覧ください。常盤湖の北東にあるときわ公園東園路の岸辺で、除草試験に励む羊です。
見た感じ、草を食み除草旨ぇ!と夢中になっている若者の羊。(私の心に聞こえる声)
実際、「ウメェ、ウメェ♪」と鳴いているように聞こえました。のどかです。
次にこれ。ときわ公園西園路の椿園の近くでは、先日の菖蒲まつりの準備で美化のために草刈りが行われました。
大人数で手際よく草が刈り取られていきます。
しかし私の心中は少ドキドキ。と言うのも、動物園の飼育動物の毎日の餌に沢山の野草が必要だからです。
このカゴにサルだけで2カゴ、カピパラにはイネ科を2カゴ、さらに白鳥親子に柔らかい草を買い物カゴひとつ分の野草が必要です。
動物によって使い分けますが、白クローバー・ヨモギ・ドクダミ・タンポポ・オオバコ・ヨメナ・スイバ・ハコベ・ノゲシ・イノコズチ・スギナ・スベリヒユ・ナズナ・カラスノエンドウ・メヒシバ・エノコログサ・ヨシ・ツバナ...など、遊歩道沿いの草むらはまさに野草の宝庫。
いつもは草刈りのあとは柔らかい芽がニョキニョキ出てくるのですが、今年の梅雨はあまり雨降らないようで、なかなか芽吹かず野草集めがピ~ンチ!です。
その心知ってか知らずか、カピバラ親子やほかの動物達が毎日おいしく草を食んでくれるので、
頑張って毎日奥深いところまで野草を求めて園路をさまよって?います。
余談ですが、昔話を。
草を食む動物と言えば。少し動物園の歴史をさかのぼってみると、こんな動物がいましたね。
ヤクシマヤギ。私にとっては懐かしい一枚です。
なぜ、ヤクシマヤギを出したかというと、さきほどのカピバラと少し関係があります。
私が動物園の仕事に就いたころ、ヤクシマヤギがいて。
その後に新しい動物園に向けてヤギ舎を改装してカピバラを迎えました。
動物園の引っ越しやその他の整理で古い図面などを整理していたら、ヤギ舎はもともと、カピバラ舎でした。
先輩方に話を伺うと昔のカピバラは今のような全国的な人気はなく、やがて動物園から去っていきました。
現在の生息地ごとの動物として旧動物園の同じ場所にカピバラが来たのは、深い縁を感じます。
昔から続く、野草の採取。遊歩道付近で草刈り鎌を持ってウロウロしている姿を見かけたら、お気軽にお声がけ下さい。
毎日会う方、初めて会う方。より多くの皆様にお会いしたいです。
担当:ためちか