5月20日 傷病鳥獣保護レポート
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2019年05月20日)
4月に2回、傷病鳥獣保護についてのガイドを行いました。
たくさんのお客様にガイドを聞いてくださり、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
今年はなんと、鳥のヒナについて、野鳥の会が発行している誤認保護を防ぐための
普及用のハンドブック80部をお客様に配ることができました。
普及活動をしていて、手応えを感じることができました。
普及用のハンドブックやチラシを受け取ってくれた皆さま、ありがとうございました。
これを機にぜひ、野鳥のこと、傷病鳥獣保護のことを知ってください。
さて、5月に入り鳥類の保護受け入れを再開したときわ動物園ですが、
保護依頼があり、保護受け入れをした動物たちもいます。
そこで、今回は現在ときわ動物園の傷病鳥獣保護事業で
保護している動物たちを少し紹介したいと思います。
(バックヤードで保護しているため、展示はしていません!)
まずはこちら
ミサゴです。
海岸や大きな池(例えば、ときわ湖とか!)で魚などを捕まえて食べる
魚食性の猛禽類です。
大きくて、よくトビとも間違えられますが、腹部が白い、翼が細くて長いなどで、
見分けることができます。
この個体は削瘦がひどく、衰弱していたところを保護されてきました。
今はたくさん食べて、体力の回復を待っています。
次はこちら
みんな大好き!フクロウ!
(えっ?好きだよね?私だけ?)
夜行性の鳥で、ホーホーって鳴くのが特徴です。
今の時期、夜の山や林、大きな公園で鳴き声が聞こえたりします。
(例えば、ときわ公園の林とか)
この個体はカラスに襲われていたところを保護されてきました。
脚に大きな外傷があり、現在治療中です。
最後はこちら
ハヤブサです。
とても速く飛ぶ猛禽類です。海岸沿いや丘といった開けた場所でよく狩りをしますが、マンションなどの高いビルがある都市部や住宅街でも見かけることがあります。
(運がよければ、ときわ公園の上空でも見られることも・・・)
この個体は去年の春に保護された個体で、衝突事故にあったのか、骨折や外傷などがみられました。
骨折や傷は治ったのですが、後遺症があり、現在もときわ動物園のバックヤードで療養中です。
今回は写真に載せていませんが、他にも保護している野鳥はいます。
今回紹介した鳥たちは、猛禽類という肉食(と魚食)の鳥類で、
体格も大きめです。
文章を読んでいて、あれ?っと思った方はいませんか。
()の中でときわ公園ばっか紹介してるとか・・・
実は今回紹介した鳥たちは、みんな宇部市・山口県内で生息していて、観察することができるんです。
(ぶっちゃけ、ときわ動物園で行っている傷病鳥獣保護事業は山口県内に住む野生鳥獣たちが対象ですから、傷病鳥獣保護で紹介している時点で、山口県内に生息していて、保護された種なんですけどね~~^^;)
猛禽類などタカの仲間とかって、山奥に行かないといない
・・・ってイメージがありませんか?
実は私たちが住んでいる住宅街・利用する公園など身近なところにも彼らのようなカッコイイ、素敵な野生動物が多く住んでいるのです。
傷病鳥獣保護をしていて、毎年なのですが、
身近なところに、こんな野生動物がいるんだなぁって
感動しています。
(そして、そんな野生動物が傷ついていることにも胸が痛みます・・・。)
傷病鳥獣保護の他に、私はニホンザルやタヌキ・クロツラヘラサギなど山口・宇部ゾーンを担当しています。
彼らを通して、宇部市内・山口県内そして国内にも素敵な野生動物がいっぱいいるんだ!!って毎日感動しているのですが、
動物園に来ると、ついつい外国の動物たちに目が行きがち・・・。
皆さん、ぜひ身近な野生動物、日本に住む野生動物たちにも目を向けてみませんか。
私たちと同じ国に生息している彼らはとても素敵な種類ばかりです。
担当している動物たちと傷病鳥獣保護で保護されている動物たち
彼らを通して、身近に住む野生動物たちの魅力も伝えていけたらなぁっと思います。
ときわ動物園で宇部ゾーンの動物たちを見て、ときわ公園などでバードウオッチングをして、
身近な野生動物たちにも目を向けてみてください。
ちなみに、私はときわ公園・ときわ動物園でトビ・ミサゴ・フクロウ・ハヤブサ・ハイタカ・オオタカの6種類の猛禽類を観察したことがあります。
運がよければ、野生の彼らに出会えるかも!?
傷病鳥獣保護担当 坂口