4月15日 傷病鳥獣レポート
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2017年04月15日)
桜も咲き、春がやってきましたね。
ときわ公園の空をみると、ツバメが飛んでいたり、カラスやスズメが巣材を集めて巣を作ったり。
鳥たちの行動を観察していても春だなぁと感じる今日この頃です。
春を楽しみながらも、楽しむだけではいけない・・
今年も傷病鳥獣保護事業にそなえなければ・・と
準備に追われている、担当者です・・。
去年、1年をとおして、傷病鳥獣保護に取り組んで驚いたのが、
救護依頼で、巣立ち直後で飛ぶ練習をしていた若鳥を、はぐれた雛だと勘違いして、保護してしまう
誤認保護が多かったこと・・
雛は巣立ちして、すぐ飛べる訳ではありません。巣の近くで飛べる練習をしたりします。
このとき、私たち人間からみると、はぐれているようにみえますが、
近くに親鳥がみているケースがほとんどです。ここで保護してしまうと、これは誘拐になってしまいます。
これを誤認保護と呼んでいます。
動物を助けようとする優しい気持ちから行動したことが、誘拐になってしまう・・。
これはとてもつらいです。(野生動物や雛を見かけたら、見守るのが大事です!)
皆さんのやさしさが、動物の保護につながるようにするには、
野生動物のこと・傷病鳥獣保護事業を知ってもらわねば!!
と思い、今年は傷病鳥獣の普及活動に燃えております!
さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回は去年の保護活動で私が
怒!!!!
って感じた保護動物を紹介します。
(口が悪くなってしまったら、ごめんなさい。おほほ~・・・・)
それがこちら。
皆さんよくご存じ、カモメの仲間・ウミネコです。
写真をよくみてください。
釣り糸がありますね。
そう!!このウミネコ・・釣り糸に絡まって動けなくなっていたところを保護されてきたんです!!
これは誤認保護ではなく、完全に私たち人が捨てたゴミなどが原因で起きた事故です。
傷病鳥獣として、助けなくては!!
釣りをしていると、不要な糸とか出てくるでしょう。しかし、何気なく捨てたゴミが
こういう野生動物に迷惑をかけてしまうことがあるのです。
幸い、保護されたのが早かったのか衰弱は見られず、絡まった釣り糸を外したら
すぐに放鳥することができました。
よかった!気を付けて!元気で!!
(この写真を撮影したあと、ウミネコは自ら、はばたいていきました。)
今回は命に別状はありませんでしたが、人がすてるゴミが原因で命を落とす野生動物は少なくありません。
特に海に捨てたゴミは、海流に乗って、外洋でウミガメやアザラシ・アシカ・魚類たちを傷つけてしまうこともあります。
ゴミはちゃんと持って帰る。
こんな当たり前なことができない、、
これに私はとても悲しい気持ちになり、怒りを覚えました。
保護活動って直接動物を助けなくても、ゴミをちゃんと持って帰る。ちゃんとゴミ箱に捨てる。
そんな簡単なことで、動物の命を巻き込む可能性のある事故を無くすことができるんです。
簡単でしょ?
今回保護されたウミネコはそんなメッセージを私たちに教えてくれたのではないでしょうか?
春になり、アウトドアで海や山へ行く人も多いのではないでしょうか。
私も山歩きは大好きです。
でも、楽しむなかで、マナーはちゃんと守りましょう。
当たり前のことをしっかりやる。
それだけで、救える命はあるのです。
傷病鳥獣保護活動
野生動物を見守る。ゴミをちゃんと持って帰る。
簡単なことから、しっかり取り組んでいきませんか。
ウミネコ・・無事助かってよかった(^^)
傷病鳥獣担当 坂口