12月11日 エンリッチメント大賞2017 奨励賞をいただきました!
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2017年12月11日)
先週のことですが、
12月2日にエンリッチメント大賞2017の表彰式・受賞者講演会にいってきました!
「エンリッチメント大賞」は、エンリッチメント(=人とともにくらす動物の飼育環境を向上させることを目的にした様々な取り組み)に取り組む動物園や飼育担当者を応援し、市民のみなさまがエンリッチメントを正しく理解・評価することにより、市民と動物園をつなぎ、市民の動物園に対する意識を高めることを目指すもので、非営利活動法人 市民ZOOネットワークの主催で2002年から毎年開催され、今年で16回目になる賞です。
「エンリッチメント」という言葉に馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、動物たちのしあわせを追求する「エンリッチメント」は動物園で最近とても話題になって盛り上がっている分野。
お客様が動物園でくらす動物たちに感動したり、癒されたり、よーく観察したり、かれらのことをもっと知りたい!(...というところから、野生動物がくらす自然環境に目を向けていただけるようなきっかけになりたいなと思っています)と感じてもらうためには、動物たちがしあわせで生き生きしていることが絶対に必要ですよね。
このブログでもたくさんお伝えしていますが、当園の飼育員もみんな一生懸命に取り組んでいます。
エンリッチメントやエンリッチメント大賞についての詳しい情報は、市民ZOOネットワークのHPからご覧ください。
(市民ZOOネットワーク http://www.zoo-net.org/)
さて、そんなエンリッチメント大賞2017で、当園の「サルたちの健康を考えた採食エンリッチメント」が奨励賞をいただきました。
ざっくりお話すると、「動物園のサルのエサはこれまで長い間、果物と根菜を中心にしたものだったのですが、それはサルたちの体には合っていないようなので繊維質とタンパク質の多いメニューに変えたところ、健康状態が良くなったよ!」というもの。
取り組みについての詳しいことは、少し前のものですが飼育員ブログをご覧ください。
(ときわ動物園飼育員ブログ「エサ、変えてます!」https://www.tokiwapark.jp/zoo/staffblog/diary/post-153.html)
今日は、表彰式・受賞者講演会の様子をお伝え!
式は、東京大学の弥生講堂で行われました。
今年は35件の取り組みに対して50通の応募があり、その中から10件が一次審査を通過、さらに二次審査で大賞1件と奨励賞2件が選ばれました。
大賞は、東京都恩賜上野動物園の「ニホンザルの餌の季節変化とエンリッチメント」
奨励賞は、福山市立動物園の「ボルネオゾウの科学的かつ献身的なウェルフェア工場に向けた取り組み」、そして当園。
写真中央で受賞記念の盾をもつ3人のうち、一番左から私、上野動物園のニホンザル担当さん、福山市立動物園のゾウ担当さん。
(飼育員ブログにはいつもサルたちばかりで自分の写真は滅多にのせないので大変に恥ずかしいです。
が、このブログではばんばん出ます...
最後にイチオシのサルの写真もありますので、どうか最後までご覧くださいませ...!)
両脇は、審査員の先生方々と、上野動物園と福山市立動物園の方々です。
立派な舞台で、素晴らしい盾をいただいてきました!
そして、審査員の先生による基調講演、受賞者講演とつづきます。
私も、ときわ動物園のサルたちと私たちの取り組みについてしっかりお話してきましたよ!
また、会場では一次審査を通過した取り組みのポスター発表や、動物たちのしあわせを願うさまざまな団体によるブース展示も行われました。
会場には、動物園の関係者だけでなく、動物が大好きで動物園を応援してくださる市民の方々でいっぱい。
式の合間にも動物のおしゃべりが絶えず、とても光栄で、とても楽しい時間をすごさせていただきました!
ときわ動物園ではおなじみ(?)、巨大しゃもじも持っていって、しっかりアピールしてきましたよ~!
これを持っての移動はなかなか大変でしたが、たくさんの方に楽しんでいただけたのでオールオッケー!でした!
そして最後に。
今回の受賞は、私たち飼育員の日々の取り組みの中でも、動物たちのしあわせのための工夫を科学的・客観的にに振り返りながら行っていることを評価していただきました。
人の言葉を話すことができない動物たちのしあわせって、いったい何なんだろう?という問いかけはこの先もずーっと続きます。
一生懸命に取り組んでも、わからないこともたくさんあります。
それでも、今回評価していただいたエサのおはなしに限らず、動物たちに接するあらゆる面で 私たち人間の自己満足でない、動物たちのしあわせを考えてかれらに向き合っていきたいなと思います。
受賞にあたり、ご指導ご支援くださったすべての関係者の方々と、いつもときわ動物園を応援してくださるお客様、そして 日々色々なことを教えてくれるサルたちに心から感謝しています。
これからも、応援よろしくお願いいたします!
担当:かわで