12月16日 飼育員の考えごと。
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2017年12月16日)
早いもので、もう12月です。私がこのときわ動物園に搬入(採用)されて、3回目の冬がきました。
寒い日が続いておりますが、そんな中でも変わらず元気なのがこちら
そう!ニホンザル!
人を除く霊長類の中で最も北にすみ、スノーモンキーと呼ばれる彼らにとって、
まだまだこの寒さは余裕のようです。(うらやましい!!)
そんな彼らに嬉しいプレゼントが!!
どんぐりです!
お客様からいただきました!!
毎年ありがとうございます!!今年も使わせていただきます(^^)
サルにどんぐり?って思う方もいらっしゃるかもしれません。
どんぐりといえば、リスのイメージでしょか?
しかし、日本に住む野生動物にとって、どんぐりはとても貴重な食糧なのです。
冬を前に、野生動物たちは脂質の高いどんぐりやクリなどを食べ、冬にそなえて皮下脂肪を体につけます。
日本の野生動物、ニホンザルをはじめ、クマ・シカ・イノシシ・タヌキ・リス・ネズミなど
大小さまざまな野生動物がこのドングリを利用しています。哺乳類だけでなく、オシドリなどもカモ類もよく食べるんですよ。
というわけで、いただいたドングリもさっそくおやつとして、動物たちに与えることにしました。
しかし、普通で与えたんじゃあおもしろくない・・・。
せっかく自然のものをもらったのなら、それを食べてる様子も自然に近い形で見てもらいたいなぁ・・・っと考え、
放飼場の一部に落ち葉を敷き、その中にドングリを巻いてみました。
ニホンザルの反応は・・・
探してくれています。よしよし・・・
野生のニホンザルは1日の大半を餌を探しながら、群れで移動をして生活しています。
その姿を再現したい。そして飼育している動物の運動量を少しでもあげて、健康的に飼育ケアしていきたい
っと考え、やってみましたが、いい感じです。
探して、手に入れたドングリも満足そうに食べています。
((注)しかし、ドングリはとても脂質が高いため、運動量の少ない飼育下の動物たちに多給をすると、
太ったり、お腹をくだして、軟便をする原因になることがあります。お客様が園内でみつけたドングリを動物に与えるのはご遠慮ください。
今回いただいたドングリも、飼育員が、その日の動物の状態と与える餌の内容とを考えて、量を調節しながら与えています。)
私のブログで、何度か書きましたが、野生動物は環境に適応した生活をしています。それは気候だけでなく、
今回のドングリのように植物にも密接に関わりながら、生活をしています。
植物と動物とのつながりもぜひ、ときわ動物園の生息環境展示をとおして、お客様に知ってもらいたいと思います。
12月まだまだブログは続きますが、私はこのブログが今年最後なので、少し早いですが挨拶をさせていただきます。
皆さま、今年もありがとうございました。
今回のドングリの差し入れのように、他にも動物たちにたくさんの差し入れをいただきました。
本当にありがとうございました。
これからも皆さんに、ときわ動物園が愛されるよう、ときわ動物園が楽しく学べる場になるよう、頑張っていきたいと思います。
来年は戌年ですね。
犬といえば、私の担当動物の一つ、タヌキも実はイヌの仲間です。
(タヌキの放飼場にも落ち葉を敷いてみました!)
来年はタヌキが脚光を浴びるチャンス!?
来年はタヌキで何をやろうかな・・・っと今から考え事(たくらみ)がとまりません。
皆さん、来年もよろしくお願いします。
ときわ動物園のタヌキ。冬毛に生え変わり
立派なモコモコの冬タヌキになりましたよ!
飼育員の考えごと(たくらみ?)は続きます(・言・)
担当 坂口