12月6日 飼育員の考えごと。
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2024年12月06日)
皆さん、こんにちは。
ときわ動物園のブログで、勝手にシリーズ化を狙う飼育員・坂口です。
12月に入り、だいぶ寒くなってきましたね。
今年も鳥インフルエンザの警戒期間になりました。この時期は、鳥の飼育担当者にとって気が抜けなくなります。
鳥インフルエンザは秋から冬に大陸のほうから渡ってくる渡り鳥と一緒に国内に持ち込まれるといわれています。
そのため、屋内飼育で野鳥との接触をさけたり、足踏みでの消毒槽や長くつの履き替え・手袋の装着などで予防に努めたりしています。
(ハクチョウ舎です。野鳥と接触できないようになっています。)
(ハクチョウ舎内の飼育管理通路の様子)
また、感染対策として、コブハクチョウ達は10月23日から来年の春まで、ときわ湖での放し飼いではなく、ハクチョウ舎での屋内飼育に切り換えています。
(屋内飼育中のコブハクチョウたち)
屋内に移ってから1ヵ月以上経ちましたが、彼らもだいぶ舎内の飼育環境になれてきてくれました。
(ちょっとドヤ顔?なコブハクチョウたち)
飼育舎の中になりますが、彼らを観ることができますので、
ときわ公園にお越しの際はぜひ彼らを観察しに来てください。
さて、実は鳥類を担当していて、この時期だからこその楽しみもあります。
今回のブログは、その楽しみを紹介したいと思います。
その楽しみとは、ハイイロペリカンの変化です!
ときわ動物園では、2月~4月ぐらいにペリカンたちの繁殖期がきます。
その繁殖期に向けて、10月くらいから喉袋の色が濃くなっていき、とても鮮やかなオレンジ色になります。
(繁殖期のハイイロペリカン)
ちなみに非繁殖期のハイイロペリカンはこちら
のど袋の色の違いがわかると思います。
そして、2月~4月の繁殖期に備えて、早ければ11月くらいから巣を作る営巣行動がみられたり、雄から雌への求愛が始まったりします。
(営巣行動の様子。)
この時期のハイイロペリカンの体色はとても美しく、毎年この姿を観察するのがとても楽しみです。
(もちろん繁殖の成功も願いながら、飼育管理に取り組んでいます。来年の2月~4月はどうなるかなぁ・・・)
ペリカンをはじめ、鳥類の多くは繁殖期と非繁殖期などで、羽の生え換わりで姿・形が変わったり、行動が変わったりします。
(繁殖期のオスのオシドリ)
この時期の飼育管理は、感染症対策など大変ではありますが、
飼育をしながら、季節によって、姿や行動の変化を観察できるのも、動物観察の楽しみの一つです。
今回はハイイロペリカンのことを紹介しましたが、動物たちは季節によって、いろんな姿や行動をみせてくれます。
例えば、ボンネットモンキーは冬になると、下の写真のようなサル団子の姿をみせてくれます。
それらの姿を観察したり、写真撮影をしたり・・・動物園での楽しみ方はたくさんあります。
動物と動物園は楽しい!!
皆さんとその楽しさを共有できたらいいなぁっと思いながら、日々飼育管理に取り組んでいます。
寒いとなかなか、外出しづらくなりますが、
ぜひ季節限定の動物たちの姿を観察しに、ときわ動物園へいらしてください。
皆さまのご来園をお待ちしております(^0^)
飼育員の考えごとは続きます。
担当 坂口