11月24日 傷病鳥獣保護レポート
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2017年11月24日)
ここ最近とても寒くなりましたね。冬ですね(>。<)
傷病鳥獣保護からお知らせです。
11月~翌年の5月まで、動物園内の飼育動物への感染症対策の為、
鳥類の保護受け入れを中止しています。
もし傷ついた鳥類を見かけた場合は、その地域を管轄する農林事務所や各市町村の担当部署に、お問い合わせください。
さて、大事なお知らせが済んだところで、
日本は四季が明確な国で、その季節に合わせて、さまざまな渡り鳥たちが日本にやってきます。
夏になると、日本にやってきて、冬が来る前に、日本よりも南の方へ南下していく夏の渡り鳥を夏鳥。
夏は日本よりも北の方にいて、冬になると、日本で冬を過ごす冬の渡り鳥を冬鳥といいます。
今回は冬が来る前に放鳥することができた傷病保護鳥獣の夏鳥をご紹介します。
まずはこちら。
そう、皆さんご存知、夏鳥の代表。
ツバメ!
じつはときわ動物園で保護の依頼が多いのは、このツバメたちです。日本で子育てする渡り鳥のため、
誤認保護や巣からの落下などの事故も多いです。
6~8月は何かと、ツバメやコシアカツバメの子育てをしていました。
昆虫食の彼らの餌は、もちろん虫!!
ヒナのうちは2時間おきにミルワームやコオロギなどを与えます。(もっと小さい雛だと1時間ごととか・・)
そのため、動物園の動物たちの世話をしながら、合間をみて、雛や若鳥たちにせっせと餌を与えます。
私一人では追い付かなかったため、他の飼育員のメンバーにも手伝ってもらいました。
(あの時は、ありがとうございました!!)
そのおかげで、無事に育ち、放鳥することができました。
こっちを気にせず、飛んでいくツバメ。
よかった!!
次は、紹介する夏鳥はこちら。
今まさに放鳥しようとするところ。
籠の中に怪しげな影が・・・
その正体は・・・
こちら!
皆さんご存知でしょうか?
アオバズクという小型のフクロウの仲間です!
実はこの個体は秋に怪我をして宇部市の住宅街で、飛べなくなっていたところを保護されてきました。
彼らは秋になると、日本からより南の方へ南下していきます。毎年秋になると、ここ宇部市でアオバズクの目撃情報や保護依頼が増えるため、
渡りをする通り道になっているようです。おそらくこの個体も、渡りの途中で住宅街近くを通っていたところを
家の壁やガラス窓に激突したのか、
住宅街に住むカラスに襲われたのか、
何かしらのトラブルに巻き込まれたのだと思います。
幸い、骨折などはなく、切り傷だけだったため、獣医師に処置して貰い、
動物園で傷がふさがるまで、療養させて、放鳥することができました。
(獣医師さん、ありがとうございました!)
先の写真は籠から出て、久しぶりの外にびっくりしたのか、
地面でぼーっとしていたところです。
しばらくして、自ら飛んで行き、木の上へとまりました。
(分かりにくい写真ですみません。)
良かった。元気で!!
このアオバズク・・・夜行性のため、夜に放鳥をしたのですが、、そのときの私の格好が・・・
タオルにくるんだ籠を大事そうに抱えて、人気のない林に入っていく男性が一人・・・。
どうみても、不審者ですね(苦笑)
夜の林の中も怖かったですが、通報されたら、どうしようっていう別のドキドキもありました。
傷病鳥獣保護で、育雛などの飼育ケアの大変さを何度かお話ししましたが、放鳥も大変なんです。
鳥の種類によって、放鳥する場所や時間帯が変わってきます。
そのため、保護動物がやってきたときは、飼育ケアとともにどこで放鳥したらいいんだ?
・・・って考えごとがつきません。。
でも、そんな大変なことでも、飼育ケアや治療の甲斐があって、無事に飛んで行く鳥たちの姿を
みると、大変さも疲れも飛んで行きます(^^)
助かって、良かった!
そんな想いで、とても嬉しくなり、傷病鳥獣保護活動をしていて、やりがいを感じる瞬間です。
同時にここには素敵な野生動物たちがまだいっぱいいるんだ!
って改めて思います。
この身近な野生動物たちを、この保護活動を通して、もっとみんなに知ってもらいたいなっと思います。
今、ときわ公園のときわ湖には、ヒドリガモやホシハジロ・オシドリ・カンムリカイツブリなど多くの冬鳥たちが渡ってきています。
身近過ぎて、ついつい見過ごしてしまいますが、
みなさん、ちょっと足をとめて、周りの池や木の上に注目してみませんか。
いろんな野鳥をみることができるかもしれませんよ。
一緒に身近な野生を感じてみませんか。
きっと、楽しい発見があります!!
ときわ公園・ときわ動物園、バードウオッチングでオススメの場所ですよ~!
傷病鳥獣保護担当 坂口