10月3日 傷病鳥獣保護レポート
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2018年10月03日)
傷病鳥獣保護レポート
だいぶ気温が落ち、過ごしやすくなってきましたね。秋って感じですね(^ ^)
皆さんは秋といえば、どんな秋でしょう?芸術・スポーツ・読書。私はもちろん食欲の秋ですが、他にも楽しめる秋があるんです!それが、野鳥観察‼︎
ちょうど今は渡りの時期で、夏鳥たちが南へ移動していき、逆に大陸の方から、日本に冬鳥たちが来始める時期なんです。ここときわ公園にも、もう冬鳥代表のヒドリガモを観察することができました。
はや!っとベテラン飼育員と鳥見をしながら、驚きました。
そこで、今回は傷病鳥獣保護を通して、出会った渡り鳥たちを紹介します。
まずは、こちら、
ヨタカ!
夜行性の鳥で、夏鳥です。渡りの途中に衝突してしまったのか、翼を骨折して保護されてきました...。
この鳥は、飛びながら、飛んでる虫を口で捕まえて飛びながら食べる習性を持っていて、とても大きな口を持っています。こういう変わった習性を持つ鳥は餌付けるのが大変...保護されて5日目に死亡してしまいました。
次はこちら。アオバズク
こちらも夏鳥で、フクロウの仲間のため、夜行性です。
この個体も、建物に衝突してしまい、翼を骨折して倒れていたところを保護されてきました。
とても小さなフクロウで、この大きさで東南アジアのほうまで、渡りをするから、すごいものです。
残念ながら、彼も怪我が原因で衰弱し、亡くなりました。
最後は、こちら。
ミゾゴイです!
実はミゾゴイは世界で2000羽しかいないとされる、とても貴重な鳥で、日本が唯一の繁殖地とされています。
そんな貴重な鳥が山口県を渡りのルートに利用してるんです!
このミゾゴイ、渡り鳥ですが、ドバトのようにすぐ飛び立つような鳥ではなく、ゆっくりと歩いて移動することもあります。
そのため、渡りの途中、住宅地に迷い、ゆっくり歩いてたところを飛べないと勘違いされ、動物園に連れてこられました。
雛とはちょっと違うケースの誤認保護ですね。
外傷もなく、衰弱もみられなかったため、
この個体はすぐに放鳥しました。彼らの渡りを邪魔しないためにも。
渡り鳥にとって、渡りはとても大変なもの。
失敗すれば命を落とすこともあります。
その途中に衝突事故にあって保護されるケースがこの時期はとても多いです。
今回紹介したヨタカ・アオバズクは残念ながら、助けることができませんでした。
食べる・食べられる世界で生きている野生動物は、怪我をしていることや弱っていることを隠します。
そんな彼らがみるからに怪我をして弱っている時はもう手遅れな場合も多いです。
改めて、野生動物の治療や飼育ケアの難しさを再認識させられます。
それと同時に、こんなに小さい身体でそんな厳しい世界に生き、
渡りをする彼らをすごいなぁって感動します。
そのすごさを動物園に来る人たちと共有できたらなぁ。
っと傷病鳥獣保護で出会った野鳥たちをみてて、日々感じています。
動物園はいろんな地域や国に住む野生動物たちと出会える場所です。
しかし、
たまには身近な自然にも目を向けてみてください。
私たちが気づかないだけで、身近にも、たくましく生きてる野生動物はたくさんいます。
これからの時期、ときわ動物園・ときわ公園はいろんな野鳥をみることができます!
ぜひ、ときわ動物園・ときわ公園にお越しください!
動物園動物だけでなく、身近な野生動物たちも観察してみませんか?
もし変わった野鳥をみつけたら、飼育員にも教えてくださいね( ̄▽ ̄)
野鳥が好きな飼育員 坂口