10月26日 飼育員の考えごと(別れと出会い)
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2018年10月26日)
10月に入り、私にとって出会いと別れがありました。
ときわ動物園でずっと飼育していたクロヅルの雌が、繁殖目的のため、10月4日に鹿児島市平川動物園へ旅立ちました。
グランドリニューアルオープンした時に、宇部ゾーンの担当になってから、
ずっと関わっていた個体でしたが、
向こうの動物園でお見合いをし、卵を産んでくれたらいいなと思います。今までありがとう!
元気で!
向こうの飼育員さんから、「キレイな雌ですね。」と言って貰えて、嬉しくなりました。
そして、新たな出会いが...
じゃーん!
ご紹介します!
クロツラヘラサギです!
クロヅルがいなくなった展示場に新しく2羽のクロツラヘラサギの雌が、埼玉県こども動物自然公園よりやってきました!
嘴がユニークな素敵な鳥です。
実はこのクロツラヘラサギ、、山口・宇部ゾーンで展示していますように、
越冬地として、少数ですが山口県にも渡ってくる冬の渡り鳥なのです!
皆さん、知ってましたか?(私も3年前に知りました←コラ!)
野生では生息数が減っており、繁殖地もごくわずかで、数の少ない貴重な鳥です。
冬になると九州や山口県に渡ってきます。
渡りをすることから、生息数などの調査が難しく、絶滅の危険性が高い鳥の一つです。
そんな貴重な鳥を今回担当することができる!ときわ動物園で初めての飼育!
嬉しさと同時に不安が...
(私、心配性なんです...)
飼育について、餌は?気温は?とまり木ってどんなの?いや、止まり台のほうがいいの?
オシドリと一緒に飼える?隣にニホンザルいるよ!?
って考えることがたくさん。わからないことがたくさん・・・(汗)
しかし、嬉しいことに、埼玉県こども動物自然公園をはじめ、自然観察員、飼育員、様々なクロツラヘラサギに携わっている方々から、アドバイスを頂くことができました。
そして、ときわ動物園のレジェンド・園長・上司・一緒に世話をするメンバーからの協力もありました。
だから、恐れることはない!(...はず)
クロツラヘラサギよ!早く来い!
という気持ちで迎えることができました。(はい、お調子者です)
そして、やってきたクロツラヘラサギ。
まずは検疫や健康診断のため、バックヤードでしばらく飼育します。
その間に、展示場を整備します。
太めの止まり木がいいとアドバイスを貰ったが、水辺にいる鳥...
ムムム...
流木にしよう!
オシドリと同居だけど、池の水深ってどうなんだ⁈
考えることがいっぱいでしたが、
そんななかで、迎えた展示デビューの日、、、
最初は緊張していましたが、、
少しずつ展示場内を散策し、徐々に落ち着きはじめました。
2羽仲良く、休んだり
餌もしっかりと食べるようになり
一安心。
新しい仲間がくると、楽しみですが、このように準備しなきゃいけないことがたくさんあります。
しかし、今回はたくさんの方々に助けられ、無事に受け入れから展示デビューまで大きなトラブルもなく、
クロツラヘラサギを飼育することができました。
ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
この2羽を健康に飼育していくために、私ももっとクロツラヘラサギのことを勉強しなければなりません。
そして、このクロツラヘラサギの展示を成功させるためには、
動物園に来てくれる皆様にこの鳥のことを、見て!知って!もらわなければなりません!
皆さま、ぜひクロツラヘラサギを見にきてください!
ユニークな嘴・動き・姿!観察するのが楽しい鳥です!
皆さまのご来園、お待ちしております!動物園と一緒に展示を成功させましょう!
あっ・・・
それから
オシドリたちも変わらず、元気に宇部ゾーンで飼育展示しています。
彼らのことも、よろしくお願いします。
(今年生まれた雛たちはすっかり大人になりました。写真の一番奥の個体です)
担当 坂口