10月28日 傷病鳥獣保護レポート
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2020年10月21日)
ときわ動物園が県から委託を受けている傷病鳥獣保護事業では、
人の活動が原因で傷ついた野生鳥獣の治療・飼育ケアをし、野生に返すのを目的に取り組んでいます。
今年も衝突事故などが原因で傷ついた野生動物が保護されています。
今の時期だと、鳥たちにとって大切な渡りの時期なため、渡りの途中に事故に合ってしまうケースも多くみられます。
写真はキビタキの♂で夏鳥で秋になると日本より南の暖かい地域に渡りをしていきます。
この個体もおそらくその渡りの途中で衝突事故にあったのでしょうか、道路で衰弱していたところを保護されました。
この個体は体力が回復して、野生に返すことができました。
しかし、中には保護されたときのケガがひどく、助けることができなかった動物もいます。
写真のアオサギは、交通事故にあったのか、傷がひどく、残念ながら助けることができませんでした。
彼らを助けられるように、治療や入院している保護動物への飼育ケアの技術向上に日々努めています。
それと同時に、ときわ動物園での傷病鳥獣保護事業で力を入れて取り組んでいるのが、
傷病鳥獣保護を通した普及活動です。
目の前に小さな鳥のヒナがいたり、傷ついた野生動物をみつけたりすると、
助けたい!何とかしてあげたい!と思う気持ちは、優しい気持ちでとても大切なことです。
しかし、雛の側には親鳥がいたり、飛ぶ練習の途中で保護する必要がなかったりする場合があります。
それを知らずに雛を保護してしまうと、誤認保護につながる場合もあり、野生動物の生活に影響を与えてしまうこともあります。
野生動物たちは、食べる・食べられるの関係で命をつなげて生きています。
野生動物たちの生活に影響を与えないようにすることも、彼らの生活を守ることで大切なことです。
そのためには、野生動物のことを知ってもらおう!
そう考え、普及活動に取り組んでいます。
動物園内で、傷病鳥獣保護に関する特別ガイドや野生復帰できなかった猛禽類と一緒にガイドをする「猛禽ガイド」も取り組んでいました。他にも、ときわ動物園のブログ「傷病鳥獣保護レポート」やときわ動物園の公式Twitterで誤認保護に関する動画配信などなど、様々な普及活動に取り組んできました。
そんななか、今年はうれしいお話が!
な、なんと、
北九州市にある、北九州市ほたる館からイベントで、「傷病鳥獣保護に関する講演をしてほしい」と依頼が来たのです。
な、なんですと??
う、嬉しいけど、うまくできるかなぁ、ドキドキ( ^ω^)・・・
というわけで、9月19日に北九州市ほたる館にて傷病鳥獣保護の講演をしました!
コロナ対策もあり、リモートでの講演となりましたが、12名の参加がありました。
写真は、講演中の担当者です。パソコンが苦手なため、リモート講演というだけで、ドキドキです・・・汗
北九州市ほたる館の会場ではこんな感じです(^^)
講演では、ときわ動物園が取り組んでいる傷病鳥獣保護事業や普及活動を紹介したり、誤認保護の話、交通事故や釣り糸など人が捨てたゴミが原因で傷ついている野生動物の紹介し、そのなかで、私たちができることはなんだろうって北九州市ほたる館の来館者の方々にお話することができました。
1時間30分という長い講演時間でしたが、とても熱心に聞いてくださり、最後には、「とても分かりやすくて、良かった」という嬉しいお言葉までいただきました。
ありがたいです。
ときわ動物園での傷病鳥獣保護の普及活動が評価され、とても嬉しい気持ちになりました。
北九州市ほたる館の皆様、本当にありがとうございました。
この経験を励みに、これからも傷病鳥獣保護の普及活動にとりくんでいきます!
そんななか、傷病鳥獣保護からお知らせです。
11月1日~翌年の4月30日まで、動物園内の飼育動物への感染症対策の為、
鳥類の保護受け入れを中止しています。
もし傷ついた鳥類を見かけた場合は、その地域を管轄する農林事務所や各市町村の担当部署に、お問い合わせください。
受け入れ中止でも、情報発信はやります。
傷病鳥獣保護レポートは続きまーす!!
傷病鳥獣保護担当 坂口