5月19日 いい話?
(カテゴリ:飼育日記) (投稿日:2018年05月19日)
こんばんは。突然の大雨、びっくりしましたね...!
今日は久しぶりのブログ登場、トクモンキーの話題です。
ホームページなどではお知らせしていますが、この春2頭の赤ちゃんが生まれました!
3月3日にエルがメスの赤ちゃんを、4月21日にラビニアがオスの赤ちゃんを出産しました。
(まだ名前がないので、仮にエル子、ラビ男としましょう)
...しかし、ラビニアは出産当日からラビ男をだっこせず、先に出産したエルがエル子とラビ男の2頭をだっこし、授乳もしてくれています。
ラビニアが子育てを諦めてしまったところをエルが助けてくれたのか、エルがお節介に奪ってしまったのか、本当のところはかれらにしかわかりません。
とにかく、今のところ赤ちゃんは2頭とも元気いっぱいで、エルも疲れを見せることなく肝っ玉母さんぶりを発揮してくれています。
実は、エルとラビニアがこんな状況になるのは2回目。
2年前(2016年)にも、エルがスリを生み、ラビニアがコッテを生み...
スリもコッテもエルが育てました。
この時は、ラビニアの子・コッテはしばらくの間だれにもだっこしてもらえず、床に放っておかれていたので、私たちはなんとかラビニアにコッテを育ててもらおうとあの手この手でアプローチしますが、まったくうまくいかず...
赤ちゃんの体力を考えると、もう人工哺育(飼育員がお母さんのかわりに赤ちゃんにミルクをあげて育てること。いろいろな問題があるので、できればやりたくありません)に切り替えるしかない...?と悩んでいたところ、先に出産していたエルが、自分の子・スリと一緒にコッテもだっこしてくれ、それから2頭の赤ちゃんをしっかり育ててくれました。
感動!!
エルの負担を思うと手放しには喜べませんが、絵にかいたようないい話...!
そしてその次の年(2017年)、エルは妊娠せず、ラビニアだけが妊娠・出産をしました。
(ふつう、サルのお母さんは子育てをしている間は妊娠しにくくなるので、2頭の赤ちゃんに授乳していたエルは妊娠しなかったのではないかなと思っています)
私たちは、またラビニアが子育てができないのではないかと冷や冷や。
しかし、そんな心配をよそに、ラビニアはなんてことない顔で(本人は必死だったのかもしれませんが!)赤ちゃんをだっこし、育ててくれました。それがエリです。
前年のエルの様子を見て、子育てを学習したのではないかなと考えています。
ここでもまた、ラビニアに感動!!
子育てを教えてくれたエルも、ありがとう!!
絵にかいたような いい話すぎる!
私はこの2頭に散々じーんとさせられ、と同時にこれでラビニアの出産も安心、と、今年はのんきにかまえていました。
そのため、今年の結果は余計にびっくり...
いったいどうしてなのー!?
そして、ふしぎはエルのほうにも。
はたから見るととても子ども好きで面倒見のいい個体のような気がしますが、実は昨年生まれのエリには、ほとんどかまわず、コッテやラビ男の時のようにだっこするということも、そんな素振りもまったくありませんでした。
もしや、自分が出産=おっぱいが出る、ということをよーくわかっているのでは...?
サルたちがどんなことを思っているのか、まったく底が知れません。
なんだか、ただのいい話ではないのかも...?
お客様から「どうして?」と聞いていただくことがとても多いのですが、私にはさっぱりわかりません。
わかりたいのはやまやまですが、わからないことを考えるのはおもしろいし、愛おしさが増します(よね?)。
とはいえ、2頭の赤ちゃんをおなかにつかまらせて移動したり、2頭の赤ちゃんに授乳をするのは体の負担になっているはず。
頑張ってくれるのはありがたいけど、あなたのことも心配してるんだからね...?
2組の親子の健やかな成長をいっしょに見守っていただけるとうれしいです。
さいごに。
なんだかややこしいお話になってしまいました。
混乱させてしまった方のために、今日のブログの登場したトクモンキーたちの関係はこちら。
薄いピンク色の枠に囲まれている、スリ、コッテ、エル子、ラビ男は、エルが子育てした(している)子ザルたちです。
担当:かわで