モモイロペリカン カッタ君
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人々に愛されたときわ公園のアイドル モモイロペリカン カッタ君
カッタ君、誕生
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1967年、ときわ公園にモモイロペリカン10羽がインドからやってきました。そして1985年、当園で日本初の人工ふ化によるモモイロペリカンが誕生。このペリカンは、故郷のインド・カルカッタにちなんで「カッタくん」と名付けられスクスクと成長していきました。人の手によって育てられた事もありカッタくんはとても人懐っこい性格で、ときわ公園でもたちまち人気者になっていき、成長すると公園を飛び出して近くの団地や海岸などにも飛んでいくようになります。
市内の幼稚園へ通いはじめる。
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やがて、カッタ君は公園から800mの所にある幼稚園へ空から通園するようになりました。園児たちと一緒に音楽に合わせて踊ったり、鏡に映った自分に恋をして求愛のポーズをとったり、幼稚園が建て替え工事をしたときは、空からの目印を見失ってしまいましたが、道を歩いていた先生と園児たちを見つけて舞い降り、仲良く歩いて通園したこともあります。
園児たちと遊ぶ姿が全国で話題に。

そんな愛くるしい姿がはたちまち知れ渡り、その姿がニュースで放映されると、全国でも一躍有名になりました。カッタくんがこれほどまでに有名になったのは、「ときわ公園の動物の中でも一番やさしい性格。人間を完全に信じきっていて、子供が触っても、背中に乗っても、まったく気にしなかったから」と飼育係はいいます。1989年にはそんなカッタ君の愛くるしい姿が「全国へ明るい話題を提供した」として財団法人日本動物愛護協会より表彰され、1995年には市民の募金により制作されたアニメ映画「カッタ君物語」が全国上映されました。
カッタ君、天国へ...。
その後も園内や幼稚園などあちこち出かけては愛嬌を振りまいていたカッタ君ですが、2008年7月16日、園内にあるペリカン島で死んでいるカッタ君が発見されました。23歳(人間でいうと40歳くらい)という若さでした。この悲しい一報に、市内のみならず全国から悲しみの声がよせられ、園内の動物慰霊祭にあわせて、カッタ君の追悼式も行われました。
カッタ君が与えてくれたもの。
現在、ときわ公園にはカッタ君と一緒に育った仲間たちや、彼の子ども達がのびのびと暮らしています。カッタ君と同様に人工ふ化・育雛で育った「ブン君」と「ヤナちゃん」はカッタ君のように市内の幼稚園や小中学校などに姿を見せました。人間好きで愛嬌たっぷりだったカッタ君が私たちに運んでくれた「笑顔」は今も絶えることはありません。
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