園長ご挨拶
2021年4月1日から ときわ動物園の園長となりました多々良成紀と申します。名誉園長になられた宮下 実さんの後を受けての2代目園長となります。よろしくお願いいたします。
私は愛媛県松山市で生まれ育ち、大の昆虫好きで、野球などで遊ぶ友人たちを横目に昆虫を観察したり飼育したり、小学生の時にはアリの研究で理科分野の賞をいただいたりしました。動物への興味も強く、関東の大学で獣医師資格を取り、一旦故郷に戻って5年ほど家畜関係の行政に携わりました。その後、念願の動物園入り、当時建設が始まっていた高知県立のいち動物公園に就職することができました。そこで開園準備から始まって診療獣医師として、そして終わりの9年間は園長として合わせて30年余り勤務し、この3月末には定年を迎えることとなりました。そうしたタイミングで ときわ動物園の園長公募があり、第2の動物園人生を志した次第です。
動物園には様々な社会的役割があるとされていますが、私は「動物のことを知る(識る)場」ということが動物園の最も大きな存在意義であろうと考えています。今日、私たちの身の回りから自然環境は乏しくなり、野生動物や昆虫などの生き物を見たり触れたりする機会は少なくなりました。本やテレビ、SNSなどを通して間接的に知ることはできますが、動物を直に見る、鳴き声を聞く、においを感じる、そして臨場感も含めてそうした本当の意味での「動物の姿」を知ることができるのは動物園ならでは。動物園は動物たちのこと自然環境のことを知るための「窓」ともいえるでしょう。そしてその先には「生物多様性」や「人と動物の共生」といったテーマがあるのです。
『生息環境展示』を特徴とした ときわ動物園は、そうした動物たちの真の姿を見ることができる、そして自然環境の大切さを感じ取ることができる動物園です。楽しみ学べる動物園として皆さまと動物たちの間を取り持ってまいります。皆さまのご来園をお待ちしています。