炭都・宇部の歴史を今に伝える、日本初の石炭記念館
石炭記念館ブログ
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モデル坑道完成50周年!
本日、2020年(令和2年)10月30日は、石炭記念館のモデル坑道が完成してちょうど50年となる日です。
このモデル坑道は宇部の海底炭鉱の採掘現場を中心に、ほぼ実物サイズで再現した場所です。ここでは、採掘の最前線の現場である採炭切羽のほか、木枠や鉄柱、コンクリート坑道といった天盤を支える坑内支保の種類など、さまざまな坑道のつくりを見ることができます。また、なかに設置されている機械や機材は実際に炭鉱で使用されていたものです。
1969年(昭和44年)11月1日に日本初の石炭記念館として開館し、昨年、開館50周年を迎えた当館ですが、開館したときには、まだモデル坑道は存在していませんでした。ただし、石炭記念館建設計画の初期からモデル坑道の構想はあったようで、その翌年の1970年(昭和45年)4月1日には、石炭記念館建設の第2期工事としてモデル坑道の建設がスタートしました。
下の2枚の写真はその際に行なわれたモデル坑道工事の起工式を写したと思われるものです。
2枚目の奥にはすでに完成している石炭記念館の建物が見えます。
その後、工事の一部変更や物価の上昇などによる資金不足、悪天候のため工期が遅れるなど、さまざまな災難に見舞われましたが、市民や市内企業から追加で支援を得て、予定より1ヶ月遅れの1970年(昭和45年)10月30日にモデル坑道は無事、完成しました。
石炭記念館の展示室などは平成の初めごろに行なわれた大規模リニューアルによってレイアウトが大きく変わっているところもありますが、モデル坑道の完成当時の写真を見ると、照明など小規模な変更はあるものの、基本的にはほぼ変わっていないようです。石炭記念館のなかで開館当初の姿をとどめている場所ではないでしょうか。
宇部炭田閉山から今年で53年。現在、宇部の海底炭鉱の坑内に入れる場所はもちろんありません。なので、再現したものではありますが、ここが宇部の海底炭鉱の内部を知ることができる唯一の場所です。
内部に展示している炭鉱機械や機材もそうですが、このモデル坑道自体も宇部の炭鉱を後世へ伝える貴重な遺産だと言えるでしょう。