【見どころ紹介2】作者は、絵本「おおきなかぶ」の挿絵を描いた方です!
(カテゴリ:彫刻) (投稿日:2017年05月28日)
春のコレクション展「宇部派」、今日はフラワーフェスタでたくさんの方にお越しいただきました。ありがとうございました!
さてさて、今回はいかにも彫刻らしい彫刻・・・笑、ブロンズの頭像「魚商の女」のご紹介です!
宇部市立図書館にある佐藤忠良さんの「冬の子ども」は、馴染のある方も多いかと思いますが、同じく忠良さんがつくったこの作品は初めて見たという方が多いはず・・・。1961年の第1回宇部市野外彫刻展に出品された古い作品で、普段は宇部市医師会館に展示されています。
タイトルに「魚商の・・・」となっているとおり、 有名人や大成した偉人の像ではなく、 商いをする市井の人間の顔をありのままに捉えた作品です。しっかりとした額や頬、結んだ唇、すこし上向いた顎、、、 いわゆる整った顔立ちとは違うかもしれませんが、 思わず魅力的だなぁと立ち止まってしまう顔です。地に根をはった人間の素朴な強さや温かさが、 その人の顔を美しく見せているのでしょうね。
何歳くらいだろう?どこに住んでいるんだろう? この人の手はどんなだろう?そんなことを考えていると、 なかなか面白いですよ。
会場に来られたら、しばし、この「魚商の女」と目を合わせてみてくださいね。
佐藤忠良さんは、柳原義達さんと並んで、戦後の日本を代表する具象彫刻家です。 福音館書店の絵本『おおきなかぶ』の挿絵を描いたのも、実は忠良さんなんですよ。絵本に描かれているのも、畑の作物を育てる人々の日常の姿ですね。
次回は、東京スカイツリーのデザイン監修をされた彫刻家、澄川喜一さんの作品をご紹介します!