ヒスイカズラ初結実!
(カテゴリ:植物) (投稿日:2019年06月30日)
熱帯アジアゾーンのヒスイカズラの現在の開花状況です。
花はもう終わりそうですが、6月25日の休館日、植物栽培管理のSさんがこのヒスイカズラのつるの中に見慣れない不思議なものを発見しました。
これが実なのか?しばらく様子をみることに。
なにせ、ヒスイカズラが植栽されてから20数年、一度たりとも実を付けたことがないのです!
そして、6月30日。
これはきっと「実」ですね。
ちなみに、当館には1株のヒスイカズラしかありません。
鉢植えで時々展示されているものは、すべて挿し木で増やしたものです。
なので、自家受粉したことになります。
自家受粉の人工授粉の成功率は約1/100とも言われていますが、当館ではヒスイカズラの人工授粉の作業をしていません。
現地ではオオコウモリが受粉していると言われていますが、当館では一体何の昆虫か動物が受粉してくれたのでしょうか?
とにかく、ものすごい低確率で結実したことになります‼
ヒスイカズラの花を見てみると・・・
花の付け根にはたっぷりの甘い蜜が‼
この蜜を求めてオオコウモリをはじめとした動物や昆虫が来るわけですね。納得です。
雄しべと雌しべはしっかりと閉じ込められており、外からは見えません。
花を矢印の所で割いてみると・・・
数本の雄しべと1本の雌しべ(写真矢印)が出て来ました。
雌しべの先端にはドーム状のキャップがあり、この状態のまま花粉と接触しても受粉できないようになっているそうです。
人工授粉する場合は、雌しべを傷つけないようにこのキャップを取る必要があり、それがヒスイカズラの結実率が低い理由でもあるようです。
マメ科なので、順調に成熟すれば10月頃に豆が収穫できるらしいです。
もし収穫できたら、当館で豆(タネ)を播いて育てていく予定です。(植物栽培スタッフ談)
植物館のヒスイカズラの実がこのまま無事に成熟してくれるよう、皆様にも見守っていただけると幸いです。