係わりたくない花
(カテゴリ:植物) (投稿日:2018年02月03日)
植物達には何の罪もない話なのですが、1,000種類以上の植物を保有していれば、中には、できれば係わりたくない植物もあります。係わりたくない理由はただ一つ。何が何だかわからない姿をしているからです。解説する立場でなければ、ユニークな姿をのんびりと楽しめるところなのですが、解説する立場となれば、そうはいきません。「さあ?」ではすまされませんからね。
いつまでもスル―できませんので、やがてじわっと重い腰を上げて勉強することになりますが、調べてもなおわからない植物もあります。困ったものです。
ちょうど今、ランを中心に係わりたくない花達が咲いていますので一部をご紹介します。皆さんは気楽に楽しんで下さいね。(D)
カランセ ルベンス 'グリーンバレー'(ラン科)。今日ご紹介する花の中では、わりとわかりやすいのですが、よく見ているとよくわからなくなってきます。二つの花が一つになっているようにも見えます。真ん中の四角い白いものは何?雄しべ雌しべが見えませんが? 熱帯アジアゾーンにあります。
ゴンゴラ キンケルネルビス(ラン科)。垂れ下がって咲いています。花の上下はどうなっていますか? 裏・表もよくわかりません。各つくりがさっぱりわかりません。「花弁」なのか「リップ」なのか? まさか「がく」や「苞」ではないとは思いますが。雄しべ雌しべははどこ? 一目で、スルーを決め込んだ花です。熱帯アメリカゾーンです。間もなく終わりそうです。
バルボフィラム マキシマム(ラン科)。 こちらも一目で、何も考えずに、スルーを決めました。これで開花中です。特別展示室。間もなく終わりそうです。
ベニヒモノキ(トウダイグサ科)。 恐らく国内の全ての熱帯植物館で保有されていると思います。熱帯植物館の定番と言えるでしょう。当館でもほぼ通年、当たり前のように咲いています。ところがこのつくりを調べてみると何が何だかよくわからなくなってきます。一つ言えることは、間違いなく花弁は退化して無いということです。学術書やネットで調べてみても、大半がこの「花弁は退化して無い」で終わっているのです。では、この赤いもじゃもじゃしたものは何か?何故花弁は退化したのか? 色々解説してある書籍もありますが、花を解体して拡大鏡で見てみると「この解説は本当か?」となってしまいます。よく目立つ花なので、中々スルーできないのですが、いつも「これは花です」で終わってしまいます。熱帯アメリカゾーンにあります。
タッカ インテグリフォリア(ヤマノイモ科)。 昨年末から先月末まで咲いていました。一目見ていやになりました。しかし、存在感抜群のため、さすがにスルーできずにすぐに調べました。もう大丈夫ですが、それにしても奇妙な姿をしています。熱帯アジアゾーンです。