きゅうきゅうの休館日
(カテゴリ:植物) (投稿日:2017年11月29日)
刑事ドラマを観ていた時のことです。
「その日は休館日だったので仕事が休みで、妻と買い物へ行っていました」
とアリバイを証言する博物館の職員が出てきました。
テレビの前の私は「この証言は怪しいな」と思ったのですが、
作中では誰もそうは思わなかった様子。
物語はそんなところでは引っかからずにさらさらと進んで行きました。
ドラマの中のその博物館職員は、本当に休館日に仕事を休んでいた、らしい。
【キダチクンシラン】
とてもかわいいこのオレンジ色の花、
アフリカゾーンに植栽されているのですが、
一体いつからあったかご存知ですか?
初公開は今年の11月22日水曜日、
今から約一週間前に加わったばかりの新顔です。
そして、この場所にこの子が植栽された日は前日の21日火曜日、
休館日です。
他の博物館がどうなのかは、わかりません。
本当はドラマの方が正しいのかも。
でも少なくとも、ときわミュージアムの休館日(火曜日)は
てんてこ舞いできりきり舞いの戦場です。
特に夏場! 次点で春! 意外と冬も!
開館日にはなかなかできない大がかりな作業を
まとめて一気に行うからです。
脚立を立てて木を剪定したり、
コンプレッサー(空気を噴き出す機械)で
サボテンに付いたカイガラムシを吹きとばしたり、
館内はとても雑然とした雰囲気になります。
パイナップルは花を咲かせて実をつけると
株が枯れるため(写真は8月の様子です)、
↓
他の植物(エピスキア クレオパトラ)に植え替えました。
ラティスと植物の配置を変えてみました。
植物だけではなく、展示する場所自体にも手を加えています。
このように、実は休館日が来る度に変化している館内。
温室という人工的な限られた空間で、植物たちに
いつも変わらず元気で美しくいてもらうためには
毎日のお世話に加えて、こうした休館日の大がかりな作業が不可欠です。
そういえば小学生の頃は、先生も夏休みは丸々休んでいるのだと
思っていました。
でも、9月1日に登校すると教室の掲示物が変わっていたり、
新しいプリントが配られたり、
今思うと先生の夏休み中の仕事の一端を感じます。
月曜日の館内と、休館日を挟んだ水曜日の館内、
一体どこが変わっているか、
どうしてそのように変えたのか、
探して考えてみる、少しマニアックな楽しみ方もあり、ではないでしょうか?
植物栽培スタッフ