特別展示室の気になる花
(カテゴリ:植物) (投稿日:2017年10月05日)
世界を旅する植物館には、コンセプトに基づいて設置された8つのゾーン以外に、「特別展示室」というものがあります。ここは、植物館としてのコンセプトや学術的な目的を持った展示ではなく、臨時的な企画展示や、スペース的に8つのゾーンに展示できないもの、同定できていないもの等を展示する部屋で、学術的な意義よりも癒しの空間を意識した展示がなされています。したがって、キャプションなどもほとんど付いていません。
当然、主力は、8つのゾーンに注がれています。ところが、ガイドをするとわかるのですが、この部屋が結構人気なのです。部屋の入口の自動ドアが開き、ラン他鮮やかな花の色や濃い緑が目に飛び込んできた瞬間、「ウワ―」という声が必ずと言っていいほど聞こえてきます。オープン前には、予想もしなかったことです。この植物館を誇らしく思える瞬間の一つです。
その特別展示室で、最近よく名前を尋ねられる花達を4点紹介します。「クレオデンドロン ウガンデンセ(クマツヅラ科ウガンダ他」「ゲンペイカズラ(クレオデンドロン シソ科)」「シクンシ(使君子。シクンシ科マレー半島他)」「フウリンブッソウゲ(アオイ科タンザニア他」です。何となく、気になる植物達ですね。(D)
クレオデンドロン ウガンデンセ。濃淡のある紫がとても魅力的です。
ゲンペイカズラ。まばゆい位鮮やかな紅白の花です。
ゲンペイは、「源平合戦」の源平(げんぺい)のことです。
花の紅白を、源平合戦における「平氏の旗の赤、源氏の旗の白」に見立てたものです。
シクンシ(使君子)。生薬の「使君子」に由来します。この果実から作られる生薬が「使君子」です。
使君子とは、君子(天子、皇帝)から遣わされた使者で、君子から遣わされた使者のように貴重な薬
という意味です。
フウリンブッソウゲ。かわいらしさが人気です。
ハイビスカスの仲間ですね。